第26話『回復薬』

「薬草ってどこに生えてる?」

と僕はユリカに聞く。


「この湖の回りに生えているのはだいたい薬草だ」

とユリカは僕に説明した。


「あ、これ薬草だったのか!」

と僕が驚く。


「よし、どんどんカードにしていこう!」

と僕は、薬草を集めていった。


-


僕はその生えている薬草に手を伸ばした。


『カード化 - カードライズ』


キィィィィィン

と薬草と僕の手が光る。

そして、ポンッとカードになって出てきた。


「よし、できた!」

と、僕が言う。

そして、くるりとカードを回してみんなに見せて微笑んだ。


「これをたくさん持っていけば、城で回復薬が作れるな」

と、ユリカが言う。


「普通は誰が作るの?」

と僕が聞く。そう、そもそも回復薬は誰でも作れるものなのだろうか?と気になったのだ。


「薬剤師だな、専門の知識を持ったものが、時間をかけて回復薬を作る。それを国で管理して、戦争やモンスター討伐の時に使う」

とユリカが言う。


「戦争・・・やっぱりあるのか・・・」

と僕は呟く。

できれば人同士の争いはないほうがいいなぁ、と思っている。そのためにできればこの能力は使いたい。


「カードでたくさんの薬草を持って帰れればかなり、作れる。やってくれるのか?」

と、ユリカが言う。

そう、普段は大量の薬草を持ち運ぶだけでも大変だ。

それがカードを使えばたった一グラムの質量になって、大量に持ち運べる。


「そうだね・・・でも試したい事があるんだ!」

と、僕が言う。

そう、そこには、ただ持ち運ぶだけで終わらせない、というニュアンスが入っていた。


「なんだ?」

と、ユリカが聞く。


僕は、薬草のカードと、綺麗な水のカードを皆に見せた。


「あ?もしかして・・・!」

と、アスカが驚く。


そして、すぐにピンと来たようだ。

彼女はとにかくカンがいい。


「え?なんだ?」

と、ユリカがアスカの表情を見て、聞く。

アスカには心当たりがあるということに驚いている。


「こうするんだ!」

と僕は言う。


『カード合成 - シンセサイズ』


と僕がスキルを発動させる。


すると、2つのカードが光りだす。

そして、その二枚のカードは一枚のカードに変わった。

そう僕が思った通りのカードに!


「あ、やっぱり出来た!」

と僕が言う。


「え?なにがだ?」

とユリカが聞く。


僕はその合成して出来たカードを見せずに、ユリカの手元に持って行った。


「え?」

と、ユリカは驚いている。


「これだよ!」

と僕は言いながらスキルを発動させた。


『現実化 - リアライズ』


キィィィィンとカードが光り出し現実化していく。

ポンッとそれは現れた。

薬草と綺麗な水を合成してできたものが!


そして、彼女にそれを渡した。


「これは・・・」

と受け取ったユリカが驚いている。


「回復薬ね!」

「回復薬だ!」

とアルテミスタ王国第一王女のアスカと僕がそういった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る