第25話『桶』
「それは面白そうね!やっぱりケンゴは私と結婚するしかないかしら?」
とアスカはにっこり笑って言った。
よっぽど政略結婚が嫌なのだな・・・と僕も笑った。
とりあえず、この巨大な力を国でうまく使う方法を考えつつ、いま出来ることをやろうと僕は考えた。
「よし、次は薬草を探して回復薬を作ろう!」
そう、出来ることからやっていく作戦だ。
-
「そうと決まれば、一旦、湖に水を戻そう・・・」
そう、巨大過ぎる力を不用意にもっていると危険だからだ。
下手につかうと、仲間たちを危険にさらしかねない。
「みんな、下がって!」
と僕は言って、カードを湖に置いてスキルを発動させた。
『カード化 - カードライズ』
キィィィィインと当たりが光り出し、一瞬にして、湖に水が戻った。
「ああ、やっぱり凄い・・・」
と僕は言う。そう、凄まじい能力だ。空っぽになっていた湖が一瞬で元の状態に戻った。この量の水を貯めるのにどのくらいの雨がふらないといけないのか。それを考えるとやはり凄さがわかる。
「うん、凄いわね。この力をちゃんと使う必要があるわね」
とアスカが考えている。
彼女には彼女のアイデアがあるはずなので、それは考えておいてもらうことにした。
「とりあえず、ちょうどいい量の綺麗な水がほしい!」
と僕が言って、持っているカードの一つを取り出した。
そう、この巨大な水をカードにすると、とても本来の目的に使えないからだ。
「あ、それは!お城でつくったカード?」
とアスカが僕に言う。
「そう、これは、桶と水だ!」
僕が言う。これは城での実験で桶と水を一緒にカードに出来るかを確かめるために作ったものだ。
『現実化 - リアライズ』
と僕はこのカードを現実化させた。
キィィィィン!
「あ!ケンゴ!それはお城のお風呂の桶!!またそんなものを持ちだして!だめよ!」
と、小柄な護衛のリリィが僕に注意する。
「うん、僕もそう思ってたんだけど、思っていたよりずっと役に立つみたい!」
と僕はそう言って、中に入っていたお城の水をバシャッと、そこに捨てた。
「あ、なるほど、ちょうど桶一杯分の綺麗な水を手に入れたいのね!」
とアスカはその行動から、ほんとに頭がいいなぁ、と僕は感心した。
「そう!」
と言って僕は、桶で湖の綺麗な水をすくった。
その桶を僕は、地面に置いた。
そして、桶の中の水に手を当ててスキルを発動させた。
『カード化 - カードライズ』
キィィィィンとスキルが発動して、綺麗な水がカードになった。
「よしできた!!」
と僕は言う。そして、くるっとカードを回転させてみんなに見せる。
「薬草ってどこに生えてる?」
と僕はユリカに聞く。
「この湖の回りに生えているのはだいたい薬草だ」
とユリカは僕に説明した。
「あ、これ薬草だったのか!」
と僕が驚く。
「よし、どんどんカードにしていこう!」
と僕は、薬草を集めていった。
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