異世界に転生したら、触ったものをカードにできる能力を持ってたので無双する!
なかの
第1話『カード化 - カードライズ』
「カードが三枚とモンスターに襲われている美少女が一人・・・」
と僕は呟いた。
そう、それが僕がこの世界に来て最初の出来事。
三枚のカードと美少女が一人。
そして、その美少女はモンスターに襲われている。
僕は岩の影にいて、モンスターとその美少女からは見えない位置にいる。
「これは、今はやりの異世界転生だよなぁ・・・」
と僕は少しずつ状況を理解する。
美少女とカードは現実の世界にもあるけど
さすがにモンスターはいないからだ。
「なんとか、あの美少女を助ける方法はないのかな・・・」
と、僕は考えを進める。
そう、異世界と言えば、その世界最強の能力を持っているのが定番だ。
最大級の魔法力とか、攻撃力とかだ。
僕もそういう能力を持っている可能性がある。
「魔法でろ!」
と、手を広げながら、魔法がでたりしないか確かめてみようと、とりあえずやってみた。
しかし、何もおきない・・・。
「魔法はなかった・・・」
と僕は呟いた。
「ということは、超攻撃力??」
と思いながら、目の前にある岩を叩いてみた。
「これも何も起きない・・・」
と、僕は呟く。
おかしい・・・こんなはずじゃない。
信じられないような力を発揮して、あの美少女を助ける・・・。
それが定番なはずなんだけど。
「なにか・・・スキルはないのか!?」
と言いながら、僕はまた岩を叩いた。
すると、僕の手と、その岩が光りだした。
『カード化 - カードライズ』
そう声が聞こえた。
「え??」
と僕は言った。
そして驚いたのは僕だけではなかった。
「え?あなたいつからそこにいたの??」
と、美少女がこっちを見てびっくりしている。
こちらを見ることが出来なかったはずの彼女がこちらを見ている。
そう、いま触っていた、岩が消えたからだ!!
「はじめまして!」
と僕は冷静を保って、なんとか彼女に返事をした。
しかし、これは大ピンチだ。
彼女に見つかったということは当然。
「グォォォォォォ!」
とモンスターが吠える。
そう、モンスターにも見つかったということだ。
「さて、これはどうしたものか・・・」
と僕は言いながら考える。
今、起きたことを考える。
確実に巨大な岩が消えた。
「魔法で破壊したわけでもなく、パンチで破壊したわけでもなく・・・消えた・・・」
と僕は、呟いて、はっと気がついた。
そして、手元を見る。
「カードが『四枚』になっている!!」
そう、最初三枚だったカードが四枚になっているのだ。
そして、『岩』の絵がかいてあるカードが増えていることに気がついた。
そう、さっきの岩がカードになったと考えるのが自然だ!
「こういう場合・・・カードに出来るだけじゃなくて・・・」
と言いながら考える。
「戻せるはずだよな!!」
と僕は、そう言いながら、モンスターの上空に向かってカードを投げた!!
「元に戻れ!!」
と僕は叫んだ。
すると、
『現実化 - リアライズ』
と、スキルが発動した。
そう、モンスターの上空でカードが岩に変化したのだった!!
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