第16話『外』
「これは確かに凄い・・・試しに使ってみたいところだ・・・」
と、ユリカは呟いた。
剣士としての興味を刺激する新しい武器だったようだ。
「うんうん・・・!そうよね!」
その言葉を待ってましたと言わんばかりに、満面の笑みを浮かべて聞いているアスカ。
「じゃぁ、モンスターを倒しに行きましょうか!」
とアルテミスタ国第一王女『アスカ・ロイヤード・アルテミスタ』はにっこり笑ってそう言った。
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「なっ!いけません!」
と小柄な護衛リリィが言う。
それはそうだろう。
モンスター退治とか、ザ・危険以外の何物でもない。
そんな危険な行為を護衛のリリィが許せるはずがない。
「そうです。国王の許可もなく・・・」
と、ユリカも抗議した。
「えー!でも、お父様に言ったって許可くれるわけないじゃない!!」
とアルテミスタ王国の第一王女アスカ・ロイヤード・アルテミスタは抗議した。
「それは・・・確かにそうですが・・・」
とユリカが口ごもる。
「ね!散歩してたら、モンスターにあっちゃった!てことにしましょう!」
と、アスカは言う。
「また、無茶なことを・・・」
とユリカが呟く。
「だって、ジュンの実験が進めば・・・この国そのものの危険すら減る可能性があるのよ!それだけの能力を彼は持ってるのよ!」
とアスカが抗議する。
「たしかに・・・それはそうですが!」
とユリカが言う。
「でしたら、これはどうですか?私とリリィとケンゴの三人で実験してくるというの・・・」
とユリカが言いかけた所凄い勢いでアスカが反論してきた。
「ダメ!!そんなの絶対ダメ!私無しで実験なんて絶対ダメ!」
とアスカは言った。
「私が見てないと!しっかりとケンゴの能力を把握できないし!作戦に組み込めないわ!」
とアスカが、理路整然と説明した。
しかし、その顔にはしっかりと、『置いて行かれたらつまらないじゃない!』と書いてあった。
あ、だめだこれは聞かない・・・。
と皆が思った。
「たしかに、この町では出来ない実験が幾つかあります。そんなに強いモンスターが出ないところで、実験をしたいです。実験が進めば、この国の利益になることは間違いないです」
と僕もユリカを説得することにした。
「たしかに!この剣のような新しい武器を作ってくれればかなり強くなる可能性がありますな・・・そして隣の国に負けなくなる可能性すらも・・・」
とユリカは何か決意するように呟いた。
そういえば以前、隣の国の誰かとアスカが政略結婚をするとかしないとか、そんな話を前にしていたのを思い出した。
となりの国となにか一悶着あるようだった。
「わかりました、遠くに行き過ぎないのを条件に、少しだけ町を出ましょう!」
とユリカは納得した。
「よぉっし!そうと決まれば早速行きましょう!」
とアルテミスタ王国第一王女のアスカは満面の笑みでそういった。
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