『怒りの結果は怒りの原因より
はるかに重大である』
マルクス・アウレリウス 「自省録」
僕はもともと直情型の人間で、だからそれなりに痛い目に遭ったりもした。
反省と学習をぼろくそに繰り返し、後天的に穏やかさを身につけたタイプの人間だ。(寝不足の日と腹の減るときは、未だに危ない。)(どういうとき自分が狂暴化するのか、自覚しておくのも危機管理のうちだ。)
この系統の本を何冊読んだか、もう忘れた。忘れたということは、きっとそのうちの幾つかは、馴染んで血肉になったのだろう。
自制を忘れてしまう貴方。
そして後々それを悔い、二度とすまいと誓う、その善良さを備える貴方。
当エッセイを読んでもう一度考えよう。
人間は、傷から学ぶ生き物だ。
方向性としては、実用系のエッセイということになるでしょうか。
内容自体は、タイトル通り「怒りやイライラ」といった感情とどのように向き合うか、というビジネス書的なノウハウ集の形態を取っています。
もっとも、「気持ちを落ち着かせる」という観点から言えば、ここで挙げられている方法は、怒りや苛立ち以外でも(例えば、不安で動揺したり、悲しみで深く落ち込んだりした際にも)応用可能な部分がありそうな印象を受けました。
カウンセリングや心理学に関する記述も見て取れますので、講談社現代新書のようなタイプの本に興味がある方にもオススメです(笑)。