クリソベリルのプライベート

　女たちがこんな調子でいるからこそ、職を持たず気ままに暮らすおれは餓死せず生きていける。

「ねえ、ダンちゃん。お揃いのネックレス。クリソベリル・キャッツアイ」

　三万語の被害者を演じる代わりに、おれは女にくわせてもらう。

　身体の関係は一切ない。ぶらさがる猫目石は、真実をのぞく目だ。


　ああ……腹へった。


　おれは自分が泥棒なのか探偵なのか、わからなくなってきた。


うのたろうpresents
「クリソベリルのプライベート」


　おれはただ、見るだけだ――