バニラダヌキ

銀河平和維持機構のエージェント、ヘンチマン。彼は、宇宙消滅を目論む非物質主義者団体『エントロピーの海』が、第二次銀河大戦を引き起こそうとしていることを知らされる。ヘンチマンはオペ…

供養

超時空知性体エグノミアと人類の勢力圏の外縁部で、退屈な哨戒任務に当たっていた航宙哨戒機の航宙士であるジャンは、操縦士であるシグオと暇つぶしに談笑していた。シグオは『万物は不滅』で…

愛とは引力である。二十一世紀最後の天才にして人類史最大の奇才、ユリスキー博士はそういった。 ユリスキー博士は運命を変えるため、天の川銀河をまたにかけた壮大な実験を開始する。 …

夫の転勤で東京で暮らし始めた早希は、故郷にはいなかった奇妙な『虫』をあちこちで目にするようになった。大きさ十数ミリしかないその『虫』は、人間の形をしていた。 ※注意・私の作品に…

吸血鬼の相互扶助組織『血盟』。当代最強の『処刑人』に血盟から密命が下された。古城を武装占拠した吸血鬼至上主義者十名、『掟』に反した彼らの首をすべて討ち取ること。月光の下、使命を帯…

無限に伸びる無数の塔だけの世界に目覚めた主人公は記憶を失っていた、やがて彼女は不思議な少女に出会うが…… SFおねロリ百合短編小説

私の名前はネヴァ。良い殺し屋あるいは悪い賞金稼ぎ。今日もクズどもを殺してお金を貰う。今回のターゲットはナイトクラブ・デッドラインのオーナー、ジェッドリン。こいつはとんでもないクズ…

少女とナイフ。白い肌と返り血。取り返しのつかない罪と、恍惚。 各短編に繋がりはありません。どこからでもどうぞ。 血が出るし倫理観がご臨終なので注意してください。 『破滅少…

成人の儀式として危険な『灰の森』に足を踏み入れた獣人の少女シーシェ。彼女はそこで奇妙な獣を見つける。その奇妙な獣の特徴は、かつて世界を焼き尽くしたとされる伝説の獣『ヒト』に酷似し…

　自主企画「筆致は物語を超えるか」【空に走る】用に書いたものです。 　同じプロットでどういった違う物語が生まれるか、という企画なので私の物語での骨組みを書いておきます。 　序盤…

俺の名前は相野清純（あいのせいじゅん）。三年B組、出席番号1番、15歳！ 修学旅行のバス移動中、白い光に包まれたと思った次の瞬間、俺は異世界に飛ばされていた！ 自らを『神さま』と…

★2021.7.7 推敲しました。 猛暑の夕空の下、私は車を走らせた。

親から貰った名前を捨て、記号名になったゾーテは、家を出てタタラ先生の寮で暮らしていた。 タタラ先生がいない週末。 『メモリオール』を奪われた先輩。 名前を捨てた幼馴染。 空を…

ぼくたちがくらすのは、空中にうかぶ国、くじら帝国。 くじら帝国のお姫さま、くじら。 神さまの女の子、みしゃくじ。 役人見習いの、くりおね――これは、ぼく。 ぼくたち三人は、おさ…

ヒラバヤシ三重公社が造った一対の合成人間、ドラセナとモンステラ。ある日、姉のモンステラが辺境惑星再開発機構の卑劣な罠にかかり、囚われてしまう。ドラセナは姉を救出する為に辺境惑星再…

六本木でネズミと呼ばれる使いっ走りの聖也は、人探しも仕事のひとつだった。ショーダンサーの夏美のベビーシッターに街で出会った娘を当てがったことから、聖也と娘とは関係を持つようになる…

生まれ育った肉体から義体への移し替えを行う「換体」が実現した近未来。 「換体」手術を5日後に控えた僕のもとに、学級委員長が見舞いにやってきて――。

人間の少女『ユイ』は、吸血鬼の少女『ナギ』と、吸血の契約を交わしていた。ユイがナギの身体を好きに傷つけ、その代わりにナギはユイの血液を満足できるまで飲むというその契約は、彼女たち…

涼香のベッドの飾り棚には、尾びれを美しく翻した透明な金魚の標本瓶が置かれていた。彼女は生物学者である父と二人暮らしだった。六つの頃に母の連れ子としてこの家に来たが、母はまもなくガ…

　砂だけが増え続ける街。海はなくなり、砂は次第に街に入り込んでくる。砂嵐で家を失った香穂は、まるで魅せられたかのように素足で砂と戯れる。敏感な子どもたちはもう、未来を語る大人たち…

『魔導科学』が発達したマバラの地、その荒涼たるセルへ砂漠に要塞都市クト＝イハはあった。ラルフはクト＝イハに友人である人工天使、アプロが囚われていることを突き止め、クト＝イハに潜入…

東京国際空港の出発ロビーで、人の往来をぼんやり眺めている娘は四ヶ月の身重だった。娘は恋人との結婚の約束があったのだが、うまくいかなかったのだ。行き先も定まらないまま外国へ行こうと…

１９７５年４月、「ホー・チ・ミン作戦」を発動した北ベトナム軍は、一気に南へ攻め下り、南ベトナムの首都サイゴンに迫っていた。首都陥落前夜、静かに酒が飲める涼しい場所を探している若者…

姉は悪性腫瘍で入院中の妹を見舞う日々を送り、夕方になると妹の夫のために夕飯を支度する。姉妹はもとはバレリーナで、姉は今はショーガールという仕事ながら、ほそぼそとバレエを続けている…

同棲していた恋人のオリビアに出て行かれた賞金稼ぎの男、ジョーゼフ。一日中、飲まず食わずでベットに横になったまま、ふて腐れていたジョーゼフだったが、限界が来た。腹が減りすぎたのだ。…

明日、進学のために町を出て行くという娘とその母親は、海の見える丘から波打ち際を犬の散歩で歩くのが日課だった。そして、その散歩では彼女らが「のっぽさん」と呼んでいる青年と過ごす時間…

夏休みのある日、私は塾へ行く途中で体調を崩した。私を助けてくれたのは、同じ塾に通う男子学生だった。

少年と少女は恋の初め、冬の帰り道を二人で歩く。手をつなぐことさえぎこちない二人だったが、冬の凍てつく寒さにあらわれた思いやりが思いがけず、二人の距離を急速に近づけてゆく。

冷戦期に作られた戦略核ガンシップ『バズヴ・6』は半世紀の間飛び続けていた。バズヴ・6のパイロットは、政変によって放棄されたことも知らずに、任務を遂行し続けていた。そんなある日、パ…

婚礼の日、花嫁は貧血で倒れる。病床に見舞いに訪れた花嫁の母は、自分たちの血筋の因縁と迷信について語りながら私に詫びるのだったー。

女の部屋で夢ともまぼろしともつかない影像に目覚めた後で、私は八年前、青森で出会った一人の娘のことを思い出した。娘は壊れ物のように美しい声をしていた。今は東京に勤めに出て来ている娘…

大学生の一条は夏休みを利用して、あるバイトをしていた。それは姿を隠し人に混じっている異形、『偽人』を狩るというものだった。ところが、一条の雇い主である木下呼子もまた『偽人』であり…

私は妻の里帰り出産に立ち会うために愛犬と一緒に旅へ出た。道中、噛み癖を存分に発揮する犬に私は困り果てた。しかし、妻の実家に身を寄せた七日間で、犬は思いもよらぬ成長を遂げて見せるの…

彼女を駅まで見送った帰り道、彼は車の中で彼女の不敵な美しさを思い浮かべる。難病を患い死期が迫っている夫を見舞う彼女は看病に献身的な人妻だが、彼と過ごす時間の中で無邪気な子供に帰る…

夏の終わりの夕方の公園で、男の子たちにまじって遊ぶ一人の女の子。砂地に描かれたSの字の中でグループは二手に分かれて宝を奪い合う。それぞれの軍のリーダーのカズマとハルヒコは策略をめ…

賞金稼ぎのエリーとダニエラは賞金首のカールソン・ヒルを捕まえるために、地上300mの高さからダイブする。敵のアジトへ見事な強襲をかけたエリーとダニエラだったが、そこにカールソンは…

ネットのライブ配信サイトで知り合った男は、「今の俺は誰かに監禁されている。」と俺に話した。その日から俺は、毎晩のようにライブ中継される男の監禁生活を、ひたすら観察し続けることにな…

エレベータのボタンを押し間違えた時には、それをキャンセルできる裏技がある。

2020年9月5日 完結いたしました。 長い間、ありがとうございました。 薬草使いのルナは、弟子のノクスやエクラとともに、深い森の中に住んでいる。 彼女たちのもとには、色々な事…

私は何度も、彼に愛の告白をしている。 そして何度もフラれている。 30歳になっても、彼に告白をしている。

わたくしよりカワイイ奴に逢いに行く――――。 千条院家の令嬢・星衣羅（せいら）は、小学四年生にしてカワイイカラテ・バトルのエキスパートである。自分の可愛さを力に変える格闘術〝カ…

親戚の姉ちゃんが離婚した。俗にいう、ウイルス離婚だ。 我慢して我慢して――自分だけが我慢してるようで、ついに耐え切れなくなったらしい。 そんなこと言ったら。 俺だって相当、我慢し…