応援コメントでも触れられていますが、初期のジブリ作品を彷彿します。小さな町の小さな自動車レース。デコボコの企画で、デコボコの自動車が、デコボコの道を走る。草木の香りや土の匂い、緑豊かな山道。賑やかで、ほろ苦い人情。わずか一ページですが、ポケットに入れて携帯したくなるような世界観。思わず紹介したくなるような名編です。
軽快かつ質の高い文章で没頭できる青春ストーリーであると同時に、温かな町と確かにそこに存在する人間が織りなす、珠玉のドラマでもある本作。あっという間に読めます。おすすめです。
死別した大事な相手から届く1通の手紙共通のプロットで書く企画の参加作です。そんなあらすじですが、大切な友達の死別を描きつつカラリとしています。友の背中をバンと叩いて、行ってこいと励ます感じが前面に出ています。それを受けて前を向く主人公。きっちり喪失感も書いているのに、ジメジメ感が無いのは凄い。
小さな町を舞台に、ドタバタかつほんわかとした雰囲気で描く、走ることを夢見る女子大生二人の青春物語。思わず笑みがこぼれるような、二人の軽妙な会話。心が熱くなる、友からの手紙。ユーモラスな町の空気がとても好きです。