久保田弥代

――或る男の重たい心の話―― 熱情は砂漠に似ている。 恵みの雫は瞬く間に熱砂に吸い込まれて、まるで夢幻のようだ。 乾いた空を見上げて雨を乞う、さながら彼は仙人掌の…

「地球はなんで青かったか、知ってる？」 彼女はぼくに消え入りそうな声で聞いた。 「月の人魚が落とした最後の涙のひとしずくなんだって」 そう笑うきみの命の灯火が静かに消えてい…

　ホームセンターの全国チェーン、モチダホーム一関店がオープンして二〇日が経つ。 　照明売場の部門長に配属された青年・戸田は多忙な日々を送っていた。 　彼と被災地を結ぶキッカケは、…

二十年前の、僕の大切な思い出。 奇跡的に届いた同窓会のハガキ。 三条市から新潟市に引っ越してきた小さな僕の、小さな物語。

（2015年）第11回「深大寺恋物語」応募作。

昔書いた短編です。 置き場がないので置いておきます

「あなたの街の物語」コンテスト応募作品。 東京都立川市柴崎町にある諏訪神社を舞台とした掌編です。 夏祭りの縁日でお化け屋敷が出たりする、とても素敵な神社です。

今年で第６０回を迎えた「東京高円寺阿波おどり」。 ＂高円寺が一番熱くなる２日間＂として開催されるお祭りは、約１万人の踊り手と１００万人を超す観客が織りなす、東京の夏の風物詩。 …

★あなたの街の物語コンテスト優秀賞受賞作★ 沖縄本島から西へ300km、 飛行機なら30分の位置にある宮古島。 そのすぐ隣にある伊良部島とは 連絡船でしか行き来できなかった。…

東京・練馬区。 住宅街のド真ん中の公園に 大きな池がある。 さまざまな鳥や昆虫や魚がいて 23区とは思えないほどの 「自然」に触れることもできる。 しかし、その池には ワニ…

僕がまだ小学生の頃、近所に気が触れた老婆がいた。

主に現代を舞台とした掌編を投稿していきます。全体に暗い話が多いですが、何かを考えるきっかけになるような、そんな話であればいいなと考えています。よく人が死にますのでご了承ください。

短編小説とも言えないような、短い短い物語。

貧相な才能、足りない実力、枯れ果てたやる気。そんな底辺ワナビである私でも、このカクヨムでなら何かが変わるかも！　そんな勘に従い、導かれるようにして登録してから早数年。 何もない…

8/22 AM12時追記。 随時、気になったりした所は追記するかも知れません。 あくまで僕個人の目線での要約したまとめになります。 当日は録音も出来ず、メモと記憶のみを辿り…

来栖と増田でクリスマスだ。 クリスマス企画で書いたド短編です。すぐ終わります。

　大陸史にその名を刻む大争乱『ケシャ・マグル』が勃発した。 　 診療所は怪我人で溢れるが、医療魔術師の数は変わらない。ぞの激務に耐えられなくなり、診療所はどんどん数を減らしていっ…

大昔に絵本の本文というていで書いた駄文です。 にぎやかしに置いておきますね。

拷問官が医学の発展に寄与した……という記述をどこかで読んだ覚えがあり、そこから生まれた掌編です。

それは魔女狩りが行われていた時代の、雪の降るある夜のこと。 偽装と騙し合い、耽美と退廃。

ある国の王曰く神に愛された画家“絵画卿”。彼の人は時として無責任な魔術絵を無差別に誰かに贈り、密やかな災禍や盲目を呼び起こした。これはその破棄と火消しに奔走する、無力で無能な子息…

大阪てのひら怪談に投稿した掌編です。800文字という字数制限に苦労し、余りに言葉足らずな部分が多かったので、ほんの少しだけ加筆修正しております。

wikiで見かけた狂女王フアナ、もう読んだだけで惚れてしまいました。

ある日突然性別が変わる奇妙な現象に見舞われ、女性となってしまってから十年。 二十八歳になった私は高校の同窓会に出席し、十年ぶりに懐かしい友人たちと顔を合わせる。そこには、あの人も…

「殺してやる殺してやる殺してやる。ボクは全身全霊で誓った。それはもう神かけてこの命に代えてもってぐらい。」 だらけた不良が真面目な秀才に決闘を申し込むに至った経緯。