テンポよくハイテンションで進む文章と、個性的なキャラクター達が魅力の作品でした。
忙殺されるジーク先生の姿が笑いと感動を呼び、そのコミカルでドタバタとした日々に引き込まれます。
しかしそうして物語を読み進めていくと、単なるコメディだけでない要素や奥深さがどんどん湧き出てきて、最後まで飽きることなく作品を楽しむことができました。
個人的にはオータムさんの個性に終始魅了されていました。
もっともっと、彼ら彼女らの活躍を見たかったです。
※6月23日追記
第1回 カクヨムWeb小説コンテスト特別賞受賞、おめでとうございます!新たな物語が、書籍で読めることに期待したいです!
いずれも魅力的なキャラとスピード感のある展開、それを支える背景の作り込み、そして思わず笑ったあとで我が身を振り返るブラックなお仕事描写と、飽きることなく最後まで読ませていただきました。
特にシチュエーションを活かしたコメディタッチな会話劇のキレは非常に高いレベルにあると感じます。
そのうえで、前述の通りキャラの過去や信念などのバックボーンをしっかりと作り込まれているように思うのですが、それを活かしきる前に展開が先へと進んでしまったように感じ、少しもったいない印象を受けました。
特にジークの、戦争や兵士に対する思い、また過去の人間関係などは、掘れば掘るほどいいエピソードが出てきそうでしたので、そのあたりを絡めてもう一山作るのもアリかな、と感じました。
……というか、単に自分が読みたかったですね、これ。