概要
お水をあげなくても、あげすぎても枯れちゃうんだって。
――或る男の重たい心の話――
熱情は砂漠に似ている。
恵みの雫は瞬く間に熱砂に吸い込まれて、まるで夢幻のようだ。
乾いた空を見上げて雨を乞う、さながら彼は仙人掌のごとく。
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百人一首
〇四三(権中納言敦忠)
逢ひ見ての 後の心に くらぶれば
昔は物を 思はざりけり
◦◦◦ 現代語訳 ◦◦◦
恋しい人とついに逢瀬を遂げてみた後の恋しい気持ちに比べたら、昔の悩みなど、何ほどのこともなかったのだなあ。
こちらの作品は、
『百人一首アンソロジー さくやこのはな』
の、参加作品だったものです。
素敵な企画に参加できましたこと、嬉しく思います!
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!皆様、この愛の形に、ぐはっとやられてください! 狂おしいほどの愛の歌!
素晴らしく高尚な表現。なのにすんなり優しく読み進めることが出来る感情描写。
これが深く胸に刺さるのです。感情がシンクロするのです。
是非とも皆様に、お手に取っていただきたい名作です。
さて一体、この渇きをどう表現したものか。そう思いながらタグを拝見させていただき、噴き出すとともに心底納得。
ああ、男性のヤンデレだ!! うむう、見事な表現に脱帽です。
そして、女性の適度な「正常(w)」さが、この狂おしさを際立たせていますね。本当に素晴らしい作品と、感動しきりです。
そんな彼女の気持ちを、私なりの解釈で。
相みえし 後の余韻に抱かれても さらの後こそ 背の先に見ゆ