爪に色を塗る

作者 紅蛇

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★★★ Excellent!!!

知らず知らずの内に惹き込まれている、そんな素敵な作品。

少女の爪を彩る色の変化。
ばっちりと塗られた可愛く、キラキラと輝く其れは勿論、剥がれかけて元の色が覗いてしまっている時にも尚、美しさを感じます。
まるで、彼女の爪が彼女の内心を表しているかの様な。

切なさともどかしさ、そして言い様のない美しさを感じられる作品です。

そして結末の真相は何だったのか。
そこを推測し思い馳せては、時に推測に至らぬもどかしさに、正に爪を噛むのもまた、この作品の楽しみではないでしょうか。

★★★ Excellent!!!

少女は爪に色を塗り、学校へ行き、日記を書く。

カクヨム甲子園に参加してらしたので、現役高校生の作者様。
これは絶対に、私の中からは出てこない感性だ……。
(たとえ、私が十代に戻ったとしても。)
説明する言葉を持ちません。

突然ですが、最近読んだ本で。
太宰治『女生徒』という作品は、実際の女学生の日記を元にしている、と知りました。
ちょっと気になる、と思っていたところに、この作品を読みまして。
先のレビューで、太宰の名も出ている。
背中を押された気がして、『女生徒』買ってきちゃいました。

猛烈に話が逸れましたが、とにかく良かったです。

★★★ Excellent!!!

言ってしまえば少女がマニキュアを塗って学校に行くことを先生や母親にたしなめられる話なのですが、彼女がそうした理由が、心の変遷がとても丁寧に表現されていて、ああ、私にもかつてこんな時代があったのだ、ということを思い出させるのです。
ただただ純粋な感情。思春期の少女の。
そこには強弱や濃淡はなく、無垢で、真っ白で、だからこそ肉色のピンクのマニキュアや真っ黒で主張の激しいマニキュアの色が映えるのだと感じました。

★★★ Excellent!!!

断っておきますが、私はごくふつうの男性です。

それなのに、先生に対する主人公の気持ちが、分かりすぎるほど、分かる。
胸が締め付けられる。
タグには「百合」と書かれていたが、それを聞いて想像するようなもんじゃない。

たぶん、これは、もっと、純粋な。
もっと、はじめの気持ち。
俺は感じていないだけで、多分、毎日、俺にも訪れているはず。

だいっ嫌いな奴ほど、認められたいのかも。大好きな奴なら、尚更。

自分と、相手の間を隔てるものを作ろうとする相手が、勝手に施いちゃう壁をぶち壊す物語。

★★★ Excellent!!!

当たり前の話なんですけど、男が女性視点で物を書くとなんだか嘘っぽくなっちゃうんですよね。
かの太宰治氏は女性視点で書くのが上手いと言われていますが、それでもやっぱり本物にはかなわない気がします。

微妙な心の揺れ動きを描いた本作。
先生や友達との距離感や言葉の選択。独特な表現も相まって、見事に「女の子」を表現していました。