虹を渡って

作者 真野絡繰

81

30人が評価しました

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★★★ Excellent!!!

 東北民のレビュアーにとって南国の島国は『積雪とか吹雪がないから楽でいいな』とか思っていました、
 実際は気候こそ温暖でも、台風が毎年そこか関門のようにやってくるような過酷な自然そのものでした。

 本作は語り部がおばあちゃんの島で過ごした生涯、懐かしい思い出を、島で過ごした日々を回顧してゆく掌編です。
 柔らかい語り口で綴られる島の風景――――一度も行ったことがなくても脳裏に浮かぶ一編でした。

 遅ればせながら、受賞おめでとうございます。

★★★ Excellent!!!

犬視点だと知った時、おばあちゃんの暖かさが胸にしみこんできました。

実は僕も半年前に宮古島に行き、伊良部大橋を渡りました。

青い空に、碧い海。とても綺麗な所でした、スキューバダイビングをして、たくさんの魚やウミガメに出会い、いい思い出ができました。

街を思い出すこの企画の話、とてもよかったです。

おばあちゃんのご冥福と、宮古島のさらなる発展に星3つ送らせて頂きます。

★★★ Excellent!!!

優しさに溢れた物語。物語の語り手が人ではないところもまたやんわりと温かい。目を閉じると虹のように架かる橋が浮かぶようでした。愛されていたんだろうなぁとその島に住んでいた人の温もりさえもじんわりと物語に滲んでいて読み手の心を優しく包み込んでくれました。温もりに満ちた手までその温度とともに伝えてくれる作品だと思いました。

★★★ Excellent!!!

美しい海を渡る島と島とを繋ぐ大きな橋。
繋ぐのは島と島だけでもなく、人と人だけでもなく、思いと思いをも繋ぐのかもしれません。
タキおばあさんに会いに、今日もコロは虹を渡っていくのでしょう。


ぜひ皆さんも美しい海と島に思いをはせながら、お読みになってください。



写真でしか見たことがないですが、あの大きな橋。
きっと車で走ると、空を飛んでいるような、海の上を走っているような気持ちになるんだろうなって想像しています。
きっと虹の向こうには、温かい人たちが住んでいるのでしょうね。

★★★ Excellent!!!

たった二千字程度の物語なのに、満たされた読後感に感服です。沖縄、特に伊良部島って本当に綺麗な島なんですよね。私が伊良部島に行ったのはもう十年以上も前で、まだ橋は完成していなかったのですが、あの島の美しさをこのお話で思い出しました。

人では無く、わんこを主人公に語られる、ちょっと切なくも暖かなお話。一言では語りつくせない魅力いっぱいなお話です!

★★★ Excellent!!!

拝読して真っ先に目に浮かぶのは、真っ青な美しい海と、その海を貫くようにしてそびえる大きな橋の光景。橋は、単に島と島をつなぐだけのものではなく、人の生活を、命を、そして思い出をもつなぐ。そのことを、可愛らしい主人公が、可愛らしく教えてくれます。

離島暮らしを経験したことのない私にははっとさせられる、悲しい出来事も語られます。おばあちゃんが大好きだった主人公は、完成した橋を見て、野放しには喜べなかったでしょう。それでも、おばあちゃんを想い、新しい出会いを喜ぶために、今日も橋を渡ります。

温かくて、切なくて、考えさせられ、そしてやっぱり可愛い物語。主人公が見つめる海と橋を、私も見に行きたくなりました。

★★★ Excellent!!!

 沖縄の優しい雰囲気が読んでいてじんわりと伝わってきます。作中で語られる沖縄故の問題も、わんこ目線なのでそれほど深刻にもならずに心に優しく染み入るように伝わってきました。
 物語全体から漂う優しさは沖縄の人の人柄のようにも感じます。

 読んでいて心がじんわりと暖かくなりました。おすすめです。

★★★ Excellent!!!

おばあちゃんに可愛がられて暮らしていたワンちゃん。
語り部である犬のコロは、ずっと大好きなおばあちゃんと暮らすことを夢見ていたが、それは叶わなかった。

沖縄の離島でダイビングもできるような美しい島であるが、やはり利便性は宮古島に劣るのかもしれません。
新たに竣工した虹の架け橋は、安らかに眠っているおばあちゃんとコロを繋ぐ、絆という名の架け橋かもしれません。

読んでいて、優しい気持ちになる。
子供に読ませたいようなあたたかい物語です。

★★★ Excellent!!!

海の上を渡る巨大な橋。
その建造には多くの難題があるだろうことは想像に難くありません。

この手のインフラには必ず自然保護の話も持ち上がります。

このお話のように、もしあの時橋があれば。
そんな想いは自然との天秤にかけられるのでしょうか。

奄美にも加計呂麻島という本島から離れた島があり、そこに住む高校生たちは、今も船で通学しています。
橋があれば、もっと便利になるだろうけれど、様々な難問があり今も橋建設は実現できず。

不便さゆえの豊かな自然。
島に住む人にとって、この二つの相反する存在は、どのように映るのでしょうか。

そんなことを感じながら、心がじんわりとしました。

★★★ Excellent!!!

島の雑種犬が語る、大好きなタキおばあのこと。
かわいらしい口調は、また同時に、
島の生活の不自由や困難をも教えてくれる。
島育ちの私にとっては懐かしい出来事たちを。

船が、バスみたいに身近な交通手段でした。
川でなく海に架ける橋は、工事に時間がかかりました。

台風の日に潮が逆巻くのには慣れているから、
だからこそ外の用事を済ませに戸からでることがありました。

島で交通事故が起こったとき、
自衛隊のヘリが本土の病院まで患者さんを運びました。

コロちゃんの、タキおばあと島の暮らしへの「大好き」が
まっすぐに描かれていてかわいくて、すごく好き。