虹に込められた想いと願いと…

拝読して真っ先に目に浮かぶのは、真っ青な美しい海と、その海を貫くようにしてそびえる大きな橋の光景。橋は、単に島と島をつなぐだけのものではなく、人の生活を、命を、そして思い出をもつなぐ。そのことを、可愛らしい主人公が、可愛らしく教えてくれます。

離島暮らしを経験したことのない私にははっとさせられる、悲しい出来事も語られます。おばあちゃんが大好きだった主人公は、完成した橋を見て、野放しには喜べなかったでしょう。それでも、おばあちゃんを想い、新しい出会いを喜ぶために、今日も橋を渡ります。

温かくて、切なくて、考えさせられ、そしてやっぱり可愛い物語。主人公が見つめる海と橋を、私も見に行きたくなりました。

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