水瀬

「結婚してほしい。――――皇帝陛下と」 　両家の決めた相手ながら、夫婦になるものと信じてきた婚約者にそう告げられ、大国の若き皇帝の許へ嫁ぐこととなった公爵令嬢アリアドネ。しかし…

街で人気の『パン屋オリビア』は、街の人々から『幸せの店』と呼ばれていた。 それは、代々この店を受け継ぐマルタン家にある一風変わった家訓のせいだった。 その家訓とは『パン以上に愛す…

「レオノーラ、お前との婚約を破棄する！」 王太子より告げられた婚約破棄の宣言、それをレオノーラは受け入れた。 何故なら、彼女には「生贄の紋章」が刻まれていたから。 それは悪魔に魅…

「月が綺麗ですね」 彼に背を向け、夜空に輝く満月を見上げながら、私は言った。 「え」 後ろから、彼の驚いた様子の声は聞こえてきた… これは、少女の遠回しな、異世界では伝わるはず…

徒歩通学する「わたし」は雨の日が嫌い。 けど、ささやかな秘密の仕掛けを思い付いてからは、雨の登校も好きになった。 けどまさか、そのせいで彼に寄り添う妄想を膨らませるわたしの気持ち…

✤財政破綻により家名を失った元伯爵令嬢の恋――。 溢れ出す想いと切なさの果てに、彼女を見舞う素敵な運命とは……？ 没落を期に、幼馴染みの家で家庭教師をしていたルイゼは、ある日、…

貧乏な子爵令嬢のエリシアには、秘密の文通相手がいる。 「レオン」という、名前しか知らない人だった。彼には小鳥のポポを助けてもらった恩があり、それ以来、ポポを通じて手紙の交換をして…

アンリエッタ・ベルモンドは、ループを繰り返していた。 三分後に訪れる追放劇を回避して自由を掴むため、アンリエッタは令嬢らしからぬ力技で実家を脱出する。 「今度こそ無事に逃げ出し…

私が飼っている猫のお話です。

「お前を妻として愛することは無い」 婚姻の日、初夜の褥で夫から告げられた言葉。 アマリアは幼馴染であったカーセルと結婚。だが、カーセルは彼女に冷たく当たる。 指一本触れないまま…

✤幼馴染みの2人が贈る、ピュアであまキュンな恋物語はいかがですか？ 国のため、王子として生きる男装の姫君と、幼馴染みの従者貴公子で贈るドレスと恋の物語――。 男児にしか王位継…

孤児のルーシェは《国守りの魔女》に選ばれ、公爵家の養女となった。 第二王子と婚約させられたものの、《人形姫》と揶揄されるほど大人しいルーシェを放って王子は男爵令嬢に夢中。 虐げら…

ヴァイオラは皇帝の娘でありながら、双子であることを理由に冷遇されていた。平和を望むヴァイオラは周辺国を侵略する父を諫めるが、聞き入れられることはなく、女嫌いで引きこもりと噂される…

古き城の奥には、かつての女王と王配によって封印された、『鏡の間』が存在する。 その存在は長く知られていなかったが、一人の少女がその扉を開いた日――私の時間は、動き始めた。 ※エ…

新しいレンガ造りの家。 その厨の竈に、新しい火が入れられた。 生まれるのは、小さな妖精。 ”かまどの妖精“と呼ばれるその小さなものは、家人を見守り、家を守る、心優しい存在だった。

男爵令嬢トリシアは、幼い頃から２年毎に訪れる恐ろしい夢に悩まされていた。 夢の中に現れる黒髪の少女が声高に訴えるのだ。「逆ハー」「推し」「モブ」……と、訳の分からない言葉と考え…

中学生の結愛には、秘密がある。 彼女が困っていると、必ずと言っていいほど「妖精さん」が現れて助けてくれるのだ。 ただ、大きくなるにつれ「妖精さん」がぶっきら棒になって行くのは、…

突然の婚約破棄によって、社交界で孤立する公爵令嬢アメリア。 周囲の冷たい視線に傷つきながらも、幼なじみだけが変わらぬ笑顔でそっと寄り添ってくれる。 だが、病弱な彼には、誰にも言え…

スピカは、政略結婚により、かねてから憧れていたアーク・トゥールズ次期辺境伯の元へ嫁いだ。 しかし、夫となったアークは、スピカに白い結婚を望む。 そんな中、二人の共通の友人、デネが…

【全１１話】 学園の卒業パーティーで、公爵令嬢クロエは、第一王子スティーブに婚約破棄をされそうになっていた。 しかし、婚約破棄を宣言される前に、クロエは倒れてしまう。 クロ…

小国を治めるとある国主の屋敷で、突然の婚約破棄が宣言された。 権力も財力も持つ貴族の男に、一方的に別れを告げたのは大綿津見国（おおわたつみこく）宗主である乙姫。彼女はこれまでも、…

初めての夜会で王子に声をかけられたことで舞い上がっていたメイルだったが、彼の婚約者である公爵令嬢に馬鹿にされて苦い思い出となった。 夜会から数日後、メイルは辺境伯領で男女の逢瀬を…

「この婚約を破棄する！」 とある夜会で婚約者の王太子が、唐突にそう告げた。 彼の後ろには不安げに眉を下げる桃色の髪の男爵令嬢。 周りの貴族たちは訝しげにこちらを見ていて、公爵令嬢…

ペットショップの前を通りかかり、足を止めた。 なぜかこのお店が気になって仕方がない。 気がつくと私は吸い込まれるようにお店に入店し、小鳥のコーナーの前で佇む。 展示ガラス越し…

ある日気付いたら、俺はダンジョンの最奥部、ボス部屋の扉に転生していた。 ※ 一話あたり、700〜1200字程度です。 ※ この作品は、カクヨム誕生祭2023での企画、カクヨム…

　サイレウス王家の私生児であるシリウス王子が13歳の時に父王ブレディンが崩御した。 　ブレディン存命中より勢力を増していたベネディクト・ルブランが王位を簒奪。当時17歳だったパ…

昭和な小学生のささやかな想い出話です。 いつもより早い帰宅に心躍らせる、幼い日々のエピソードはドブ川のグニャリとした感触と共に今も残ります。

クリスマス、独り？気にするな！ 残念なクリスマス過ごした女の話を見て 自分はマシだ！そう思ってくれ！ それが私からのプレゼントだ！

アルバニー大公国の公爵令嬢ディアーヌは、公爵である父を助けて、領地経営に励んでいた。 領民にも慕われていた公爵家だったが、ある時、公爵は国家反逆罪に問われ、収牢、その後、牢内で死…

「いつか竜を退治してくれる勇者が現れる」 村を訪れた主人公はその伝説に巻き込まれて……？ 彼が思いついた解決法とは？ クロノヒョウ様の自主企画参加作品です。 第62回「2000…

〈花〉の力を尊ぶ香山家(こうやまけ)に生まれた少女・涙茉(るま)は、とある事情から虐げられていた。 十八歳の誕生日を迎えた夜、涙茉は香山家の屋敷から逃げ出す。 死に場所を探す…

添い寝が契約範囲内！？ 秘密を抱えた魔女×狼に咬まれ、呪を受けた王による、薬師契約から始まる甘恋・溺愛ファンタジー。 辺境の地でモフモフたちと暮らす魔女エルナは、ある日突然押し…

思い違いに気づいた少女のほんわかストーリー。 *カクヨムコン10短編 中間選考突破 感謝

両者の想いが連なる少し切ない恋愛短編物語 *カクヨムコン10短編 中間選考突破 感謝

ロベルの馬鹿！　今更そんなこと言ったって！ ５年後から死に戻ったという幼馴染が話すには、私の婚約相手は王妃様と不倫をしてて。 秘密を知った私とロベルは殺されてしまう未来にあるら…

大学の文芸部にて 『九尾の狐がさらに格を高めると尾が減っていき、四尾の天狐となり、さらに格を高めて空狐となると無尾となる』 ネットに広まっている一次出典不明の説を使った作品を提出…

集英社オレンジ文庫・第231回短編小説新人賞に応募したものを加筆修正したものです。

最近夢に毎晩出てくる十年前に死んだ幼なじみ。突然告白してきた秀才の優等生。伝えたかった思いが伝わる時、何かが起こる――！？

【カクヨムコンテスト10・中間選考通過しました！】 豊岡美術大学の一般選抜・前期日程で、実技検査に望む里美 志桜吏。 自分の能力に確信を持つ彼女は、ふと目にした一受験生の作品に…

グーテンポーフ伯爵家三男で庶子のヴェルナーは異母兄達や継母から虐げられて生活をしていた。 しかしそんなある日、ヴァレンシュタイン筆頭公爵令嬢フィリーネに話しかけられたことで運命が…

副将軍であり公爵の嫡男であるロイが片思いをしているのは、共に帝国を取り戻した戦友であり仕えるべき主である、皇族で将軍のエルレノーレ。 戦時中はいざ知らず、国内も平定した今、将軍…

※注：このあらすじはネタバレ祭りです 【全五話】 　クロフォード男爵家のジゼルは、自然と野山を愛する活発な少女だった。幼馴染のアーティと想いを通わせ、貧乏ながら幸せな暮らしを送…

伯爵令嬢セシル・バーリントンは、ある日、義妹アナからセシルの婚約者と愛し合っていると告白された。彼女のお腹の中には、新しい命が宿っていた。 家族会議を開くも、衝撃を受けているセ…

北の国の聖女アイラは、ザカリア王子に婚約破棄され、断罪される。ザカリアの裏切り、聖女としての不本意な仕事の数々。それでも、アイラの心は静かだった。 彼女の護衛騎士が死んだ時に、ア…

独居老人と共に生活するコミュニケーションロボット。 極小の動物型である小鳥のロボットは、不具合を繰り返す。 その原因とは。 クロノヒョウ様自主企画 『お題でカクコン挑戦企画⑤』…

【全5話】 アリサは、高熱を出したことをきっかけに、前世の記憶を思い出す。 その記憶によると、この世界は童話『シンデレラ』の、物語が始まる前の世界そのものだった。 アリサはシン…

ガーメニー王国の筆頭公爵家に嫁いだエルヴィーネ。彼女の人生は誰もが羨むものであった。しかし、エルヴィーネ自身は自分の人生が大嫌いだった。何一つ自分で選ぶことが出来ず、鳥籠の中にい…

【全８話】【短編】【カクヨムオンリー】 〈あらすじ〉 　七浦結愛（ななうら　ゆめ）は中学生になったばかりの女の子。 　幼馴染みの蒼生（あおい）、黒矢（くろや）、 　紅音（あかね…

その日、三名の聖女候補が王都の広場に姿を現した。 王女・マリカ＝エトヴァダン。 トスートメル公爵家の令嬢・セランヌ＝トスートメル。 そして、田舎からやってきたルミリナ＝ルナ。 …

帝国の若き宰相グラント・アドラー公爵は、皇帝の密命を帯びて、戦争で負かした聖女の王国にやって来る。 皇帝の密命とは、「聖女の血筋を引く娘を連れて来い」というもの。 グラントは命令…