概要
いにしえのアンデス地方。少年・アマルは、平原にある「白い道」を守っている。その「白い道」は、神殿につながっている。村の代表に選ばれ神殿に行くことは、〈名誉なこと〉だと、大人たちは言う。
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- ★★★ Excellent!!!空と地を繋ぐ 尊い恵みに、唾を吐く。
広い、広い世界で。生きる人類は知恵を持った。文明を持ち、神を知り、信仰を作った。
彼らが生きる地を、彼ら自身が掌握しているようであって、そうではない。
けれども人は知恵を持つ故に、乗り越える――征服せずにはいられないのだろう。
名誉という言葉を与えられたひとつの命。
その命にも人生はあり願いがあった。
けれども広い、広い世界の中では
その命はほんの一粒にすぎないのかもしれない。
地上に注ぐ雨の一粒との等価交換。
その一粒は多くの人への恵みとなる。
だからどうした。
そう叫びたくなる。
遣り切れなさが残る。
しかしそれは、己の感情ではないのだ。
その時代、その場に生きた彼らがどう向き合うの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!純粋な想いで、胸が暖かく洗い流される・・・
古のアンデス地方、主人公アマルと幼馴染のチャスカの日常から物語は始まります。その暖かくて甘酸っぱい日常は、「名誉なこと」により終わりを迎える。
読み進めて、「名誉なこと」の正体を知った時・・・神聖? 残酷? 悲しい? 切ない?・・・アマルとチャスカのピュアな日常が思い出されて、胸の中が、言語化できない感情で埋め尽くされました。
本作の最後に、「白い動物園」というタイトルの意味が明らかになります。「名誉なこと」で複雑だった胸中が、純粋な想いで、暖かに洗い流されてゆく。
あの有名な世界遺産を題に取った、とても豊かな読書体験を頂きました。
素敵な短編を、ありがとうございました。 - ★★★ Excellent!!!謎の世界遺産に触れる壮大なストーリー。
皆様が知っているあの世界遺産。
検索するとヒットするあの絵はどうやって何のために描かれたのか。
物語に登場する少年と少女。まだ恋にも発展していない淡い二人を「儀式」が引き裂く。
文化も価値観も考え方もすべて違う世界において、その儀式を残酷には描かずに、そっと暖かく包み込む少年のやさしさ。
少年の意思を継いでまたどんどんと広がっていく空へのラブレター。
あの素晴らしい絵は、きっと少女に届いていると思います。だからこそ、今もなお褪せることなく地上に残っているのですから。
歴史好きでなくとも思わず検索していろいろ調べて非常に興味を持つ部分です。
そして丁寧に書かれた文章。少年少女の素朴な疑問…続きを読む