概要
ただひとつ、デバイス《ECHO》に「声」だけを残して。
ECHOと暮らす蒼葉の前に現れた、謎の逃亡者・明司。
明司は、蒼葉に「ECHOを渡せ」と迫る。
明司を追う組織に襲われ、2人はともに逃走する運命へと巻き込まれていく。
2人を結びつける望加の声。
その声には、世界を揺るがす《価値》と、隠された《罪》があった。
彼女の《声》が世界に再び響こうとするとき
蒼葉と明司は《最愛の声》を――「守る」のか、「壊す」のか。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!音は色を持ち、想いは形になる。優しさに満ちたSFヒューマンドラマ
気がついたら、一気読みしておりました。
「声」は、救いにも呪いにもなる——そんなテーマを、SF設定と音楽で真正面から描き切った作品です。
盲目の天才音楽クリエイター・蒼葉が携えるAIデバイス「ECHO」。そこに宿るのは、残された恋人の声。そこへ現れるのが、その声に関わる技師・明司。追われる状況の中で始まる二人の関係が、ただのバディではなく「喪失」と「贖罪」を背負った者同士の共鳴になっていくのが刺さりました。
特に圧巻なのは、蒼葉の共感覚描写。音が色になり、温度や質感まで立ち上がる文章が美しく、読んでいるこちらの感覚まで研ぎ澄まされます。SFサスペンスの骨格を持ちながら、根底には人を想う…続きを読む - ★★★ Excellent!!!読まないのは勿体ない。
この作品を語るに、読まないのは非常に勿体ない。最後までたどり着いたものだけが拝める最高の結末を是非とも見るべし。(読了感最高のハッピーEDということだけは伝えたい!!)
プロローグから1話目までがちょっと長いのですが、ここで読むのをやめてしまうのは非常に勿体ない。やめたら絶対に後悔します。後半になるにつれて恐ろしいほど吸い込まれる文章と展開に息つく暇もありません。
作品について、まず盲唖という非常に難しい主人公をまして1人称視点で語らせるというとんでもなく難しい領域。これをやってのける筆力の高さに震えます…
ECHOという感覚補助デバイスのお陰でそれを補えるとしても、主人公である彼を作中…続きを読む - ★★★ Excellent!!!席を立つにはまだ早い──。
わたしたちはひとつの歌劇を聴き終えた。
今はまだ、その余韻に浸るべき時なのサ……
是非とも、今すぐに立ち上がって、万雷の喝采を贈りたい。けれど、それはあまりにも無粋と云うものだ。
見よ!灰色だった舞台に、彩りが灯る様を!
彼がその細い指を動かす度に音色は形を持って、七色の波濤が広がる。八十八鍵の感動を、ひとつひとつ噛み締めながら、涙を流す他ない。
あぁ!カーテンコールなんてあるものか!一度きりの人生、一度きりの物語!故にこそ輝くこの色彩を讃えるには、この熱い涙の煌めきこそが相応しい!
さぁ、観たまえ!彼らの選択を!
さぁ、聴きたまえ!彼らの祈りの声を!
これこそが、最愛の声であると─…続きを読む