田所米子

　人よりちょっと涙脆いという点しか取り立てて特徴のない平凡女子、柊那由多は高校入学式のその日、やたら顔面が良い男子、有瀬留佳の告白お断り騒動に巻き込まれ、彼の恋人にされてしまう…

帝政古代ローマ。 父親の世渡りが下手で貧乏な令嬢ルキッラは、最後の賭けといわんばかりに自分の家の解放奴隷のフィレナ夫婦に香油店を開かせる。 ところが。 そこにやってきたのはデ…

明治時代。 葡萄酒（ワイン）醸造を村の発展の鍵とする、そんな夢を語る友人が持ってきたのは、古びた獣の爪だった。 柴田恭太朗様主催の『カクヨムに三題噺を復活させよう！プロジェクト…

あの年の夏の夕方。海をのぞむキャンプ場。一回だけの夏合宿。 バーベキューを囲みながら、彼女はひとつの約束を願ってきた。 その約束は、数年たっても……ひょっとしたら数百年の時が過ぎ…

盆の前の夏、地区じゃ毎年やってる行事 “かがし” 下げ。 村のはずれの柱までいって “かがし” を下げてくる役目に、運悪く選ばれちまった俺は無事に帰れるのか。 柴田恭太朗様主催…

月のあかるい晩の浜には、ふたりの童子が鞠とともに舞うのだと、幼いころに聞いた物語。 情念にとらわれし三人の果てを描いた、和風幻想掌編です。

【年下はにかみ？ヤンデレ？男子】×【年上トラウマ持ち女】×【ほんわかラブコメ！】 フェーリーン公爵令嬢イレイェンは傷を抱える25歳。ある日、父に呼ばれ、政略上の都合で18歳の大…

七年ぶりに再会したふたりの友人。 帰郷した友人を、もう一人は林のなかへといざなった。 七年前のあの日、隠した秘密が、閉ざした記憶が語られる……。 那智風太郎さん主催の自主企画……

とある匿名掲示板の怖い話スレッドに書きこまれた、いくつかのレスやリンク先についてまとめたものです。 小野塚様の主催になる「お盆お彼岸怪談会」の参加作品になります。 基本、毎日…

妻が失踪したという旧友の住む屋敷の庭には、それはそれは、真っ赤な楓の樹が生えていた。 柴田恭太朗様主催の企画『三題噺 #117』参加作品。 お題は「庭」「失踪」「腕」です。

白く、つめたく、静かな姿で、永訣したはずの彼女。 僕が再会した場所は、赤く、熱く、輝くばかりに燃えさかる丘のうえでした。 クロノヒョウ主催の「第66回「2000文字以内でお題に…

毎朝6:00更新予定。軍略書をとりあえず読んでいくことにしました。

桜の形をした「天下五州」は、「鬼」と呼ばれる存在に常々悩まされていた。 そんな鬼を退治できるのが「鎮守」と呼ばれる存在。 女役人である山鳥明衣は、仕事のできる気の強い女。 彼女は…

2025/09/25 発売、志学社刊『宇宙大将軍侯景ＳＦアンソロジー　梁は燃えているか』。このトンデモネー本に寄稿させていただいた波間丿乀斎が、自作を赤裸々に解説！　なおネタバレ…

王国の末王女ベアトリクスは薔薇園で知り合ったセシルという青年がちょっと好き。 でもセシルはどうだろう？

山の民の現在の長は女王ナホである。しかしナホは実は女装した少年で、家臣の一族の女戦士ノジカと婚約していた。 ある日のこと、山に海の民の戦士が押し寄せてくる。海の民の戦士たちは圧倒…

「イラン」という国の名前を聞いた時、あなたは何を思い浮かべますか？ かなり多くの日本人が、中東にあるいつも揉めている危ない国だという印象をもっているのではないでしょうか。 もった…

毎年恒例、X企画・文披31題2025年に参加するものです。 主催：朧様（綺想編纂館） https://x.com/Fictionarys/status/1931694544095…

ＡＩに自作分析の数値化をお願いしてみたら予想以上に恐いものがきたというお話です。わ、わあい。

フェルナンド・ペソア『不安の書』を、順番をぐちゃぐちゃにした上でなんだか読んでいこうというやつです。ただ訳出コストが地獄みたいでいまの自分の手には余ったため、いったん十話で終わり…

『エピクテトスの提要』を読みました。

主人公は元王子だったが、この国に母国を滅ぼされてこの国の王宮に連れてこられた。そして、この国の姫君の召し使いとなった。彼は姫君の奴隷として、毎日彼女に靴下を履かせる。 2025…

詩の素養がない私が わたしをなぐさめるためのもの。 毎昼12時に更新します

毒舌で嫌われのもの異能者・後賀葉月。そんな彼女の悩みは、夫である梅倉朔夜とイマイチ仲を深めきれていないこと。 そんななか、朔夜の親友・直白清零の愛妻、真山由衣が、結婚の御祝儀に薄…

これはある島の伝説の物語である――

毒舌で嫌われのもの異能者・後賀葉月。梅倉朔夜という異能の家の名門の次期当主に嫁いだはいいもののいまいち仲を深められている気がしない。 そんななか、夫婦揃って変な夢にうなされる。し…

KAC2025参加作ですがKAC20254はまたもう1本書きたいと思っています、でもちょっと自信がないので念のためにこの作品を保険で公開しておきます。 この作品は青年夜隆公シリー…

後賀葉月は毒舌で皮肉屋、嫌われ者な異能者。なんだかんだで最近は気むずかし屋な性格も少し素直になり、それなりに夫婦生活がうまく言っているかと思ったけど……。 夫の梅倉朔夜はちょっと…

たまにいるのだ、こういう人。 900字ぴったりです。

エリカは作家志望の女子高校生。小説を書くことは一人でもできること。作家仲間との馴れ合いなんかまっぴらごめんだ。 そんなことを考えて暮らしていたある日のこと、近所で暮らすボス猫が……

後賀葉月は毒舌で皮肉屋、嫌われ者な異能者。今日も毒舌を垂れ流して乙女たちから袋詰めに！！　 でも夫・梅倉朔夜は葉月の彼女でさえ気づかなかった本心を見抜いていて……？ 和風恋愛ファ…

【※KAC20251に参加しています】 【※フィクションです】 ある母と子供たちのたわいもない日常です。

後賀葉月は毒舌で皮肉屋、嫌われ者な異能者。今日も毒舌を垂れ流して村人たちから袋詰めにされていたり、姉から嫌味をネチネチ言われていたりしたが、縁談がやってきて！！！ 和風恋愛ファ…

KAC2025参加作ですがKAC20251はまたもう1本書くと思います。これは青年夜隆公シリーズの番外編なので本編を読まないと話がわからないかもしれません。本編⇒澎湃《ほうはい》…

わたし、うららには、自慢のカレシがいる。いや、正確には、いた。 ※魔法のiらんど「ありがとう またね、大好き」ショートストーリーコンテストへの投稿作です。

ある王朝が滅んだ。国は革命を起こした逆臣に乗っ取られ、天子の一族は死ぬか死ぬまでの逃亡を余儀なくされている。皇子である17歳の楊《よう》とその母の淑妃の宮女・19歳の永英《えいえ…

【カクヨムコン10短編部門中間選考突破作品】 完璧な弟に溺愛されすぎて溺れかけていく。

魔女のノラはポンコツ。反面、弟子のリアは黒猫だけれどしっかりもの。 一人と一匹はノラの兄、ベネとともに「幻想薬草店」を経営している。 この二人と一匹が織りなす連作短編集。 ＊…

原初の東洋哲学から突然西洋哲学の粋に飛ぶという気の狂った真似をしてみます。これどうなっちゃうのかなあ。挫折しそう。まあ挫折したならしたで。

セシルはオルファリア王国の貴族の子弟が通う高等魔法学園の5年生。妹のアリスは聖女として目覚めたことにより高位貴族のセシルの家に引き取られた養女だが、セシルはアリスを溺愛していた。…

ぼくはなにがたのしいかよくわかんない！　けど楽しい！　そんな感じのお話です。

葦津国は八つの州からなる島国で、大君と呼ばれる王の一族が統治している。現在の大君は狩野雲隆といい、聡明で温厚な性格から民に慕われていた。また、その一人目の弟・月隆も理知的で冷静沈…

「私」は還暦の主婦。二人の子供を育て上げ、夫との関係も良好、健康にも問題はなく定期的にプール通いと、何の不満もない順風満帆な人生を送っていた。せっかくだから、世のため人のために何…

泰山のモモの木に刻まれた一篇の詩句は、五胡十六国末期、南燕を滅ぼした王、慕容超と、南燕に殉じた士人、韓范を歌ったものとされている。

ある国の王子と従者の物語。 この国の王族には侍童《じどう》といって、子供の頃から主従関係を結んでともに育つ近侍を選ぶ風習がある。今の代の第一王子リオナールにもヤヌスという名の侍童…

仏教最古の経典ダンマパダをさくさくっと読んでったやつです。私訳－パーリ語経－英訳－漢経も並録。

中国南北朝時代に編まれた伝奇小説集『捜神後記』『異苑』。あまり志怪の世界に触れてこなかった訳者が「どんな世界なのかしら？」と覗き込みます。一緒に訪問して頂ければ幸いです。

日々の叫びだったり、小説の番外編だったりを置くところにする予定です

アウシュリスはイステア王国の王弟。まだ若いながら王国軍を率いて周辺国家の軍隊を蹴散らしてきたこと、彼自身も武術の腕が立つことから、イステアの軍神と呼ばれていた。 しかしある時、王…

深海が闇の世界などというのは陸の者たちの思い違いだ。太陽が遠いなりに、深海にも光が満ちている。 「彼女」の光に誘われるように、闇の中で輝き揺らめき近づいて来る──月のような、円い…