再会した幼馴染二人。彼らは久しぶりに訪れた子供の頃の遊び場で思い出話に興じる。
しかし、二人の会話は決定的に嚙み合っておらず……。
二人の会話形式で進む小説であるにも関わらず、お互いのテンションの違いに奇妙な緊張感がある。どうやら、片方の語りが気に入らないようだが、時にその立場が逆転し、物語は思いも寄らぬ展開に転がっていく。
それは、まるで二人の人物のどちらが正しいのか、読者に問いただしてくるかのようだ。
二人の語り手が読者をも巻き込み、その後ろ暗い真実に招き寄せてくる新感覚のサスペンスホラー。