「身分差/年の差」を含む小説

文明開化に沸き立つ時代。その波は菓子の世界にも広まっていたが、和菓子職人の父を持つ杏は食べたことがなかった。 使いの途中に出くわした人は五年ぶりに再開した青年だった。礼だと振る舞…

　リーデルシュタイン帝国の皇帝は末娘、ヴィクトリアを呼びつけた。16歳にしては幼い末姫に躊躇いながらも告げた。 　「本来ならもう少し、自由にしてやりたかったのだが……実はの、其…

ラウラは大商家・ロンバルディ家の長女。だが、父親の連れ子であるせいで、幼い頃から使用人同然の扱いを受けていた。 しかし、ロンバルディ家の経営は傾き、借金まみれになってしまう。 …

　王都で仕事をするために一人旅をしているアンヌは、旅の途中で立ち寄った村の宿屋で目覚めると男になっていた。 　村の薬屋の店主ビリーへ女に戻る薬を作ってほしいと依頼するが、愛想も素…

小国、オルセン王国の第一王女、マイエンガルド(マニー)。彼女は十八歳でありながら、兄が見込んであること、また年齢が釣り合う王侯諸族がいなかったことから縁談が持ち上がることもなく、…

『結婚をしよう』 　彼は突然そんなことを言い出した。何を言っているのだろう？ 　彼は身分がある人。私は親に売られてきたので身分なんてない。　愛人っていうこと？ 　いや、その前に大…

クール系有能ギルマスと執着気味拗らせ金髪美形の訳あり年の差カップル。軽いコメディなのでちょっとした待ち時間の暇つぶしにどうぞ。 ［あらすじ］ ギルドマスターの私のもとに、ダンジ…

ビッテルバーク辺境伯ジーンクリフトが首都から領地へ戻ると、隣り合わせの領地を管理するドリフォルト家の領主が死んだことで、その相続争いに巻き込まれた。 唯一の相続人である孫娘のセ…

孤児院育ちのミノンは、神殿外で暮らしている神子の傍付きとして派遣された、十九歳の聖女。 お相手の神子さまは、護衛騎士とふたりで暮らしている、高圧的な物言いをする五歳児・フィル。 …

～『その溺愛、過剰です!?』コンテスト参加中～ 第一部をコンテスト既定の文字数に収めましたが、続きも更新予定です 　魔術が権力の象徴とされるロキア王国で、第一王女ユスティーナは…

侯爵家の娘でありながら、剣の腕を見込まれて王女の護衛騎士になって十年。王女が外国に嫁ぎ、そろそろ独り身で生きることを考え始めたジュディットは、酔った年下の第三王子ルシアンに冗談で…

お節介焼きで困っている人を放っておけないシアは、数多のご令嬢達から人気の令嬢だ。毎日ファンレターが届き、社交界に出れば令嬢に取り囲まれるほどである。 けれど、それに反比例するよう…

気づくと、現実とは思いがたい幻想的な風景の中に佇んでいたエマ。 記憶に靄がかかった状態の彼女へ、不意にひとりの男が声をかける。 なにもないはずの場所から突如姿を現した謎の男は、顔…

百日続く戦争に終止符を打つため、雪国から連れて来られた「烏珠の謡姫（ぬばたまのうたひめ）」、ユラ。戦場の指揮を取るリゾルート王国の第三王子、ミラージュとの出会いを通して歌姫が成長…

私には生まれた時から祖父が決めた十歳年上の婚約者がいる。 彼のことが好きだと気付いたのは十五歳の時だった。早く大人になって彼に相応しい女性になりたいと思っていた。だがその後ある理…

　植物の心を感じ取ることができる能力を持つ京千尋(かなどめちひろ)は、元許嫁によって仕事も家も奪われ、鉢植え売りをしていた。そんな彼女が再会したのは、大切な桜の木を再生し自分の心…

突如現れたドラゴンにより国土を荒らされ、存亡の危機に陥ったサツキ国。サツキ国の女王であるソラは覚悟を決め、ドラゴンを倒したものに王位を譲ると宣言した。各地から集まる英雄たち。遂に…

　大陸にほど近い島国、波照（ナズレ）で養護教諭をするシメイは、ある生徒の行方不明をきっかけに、隣市でありながら足を踏み入れたことのないスラム街、臥竜城（がりゅうじょう）区へと向か…

　マリア・ヒュドールは、不運な十六歳の女の子。類いまれなるドジな不運体質のため、簡単なアルバイトでさえも長続きしない。 　そんな中、冷徹と評判なひきこもりイケメン魔術師テオドール…

「大陸に言い伝えられる創世神話は嘘」という論文を書いたフリッカは、出版社に向かう途中で殺された。気付くと彼女は転生し、帝国の子爵家令嬢になっていた。 前世の悲願だった論文出版のた…