「謎解き 短編」を含む小説

「物語の天使」と呼ばれるイレーヌは、王宮の侍女として働いている。 彼女はとても美しく物語を語り、さながら天使のようだとの評判だった。 ある日、この国の王子に見初められ、妃にと望ま…

　昭和二十年七月、大分海軍航空隊。連日の空襲で焦土と化した基地の一角で、主計中尉の佐々木は戦死者の遺品整理に明け暮れていた。 　ある日、佐々木は未帰還となった山崎大尉の遺品から…

殺風景な部屋に異様な空気が漂っている。原因は言うまでもない、部屋を二つに分けるように設置されている『鉄格子』だ。 俺は椅子に座ってテーブルの上で手を組んだ。 ガチャ…

冥府省送魂部・名古屋支部の黄泉送りメイは、 名古屋の街で迷える魂を“彼岸”へ送る仕事をしている。 ホスト霊、桶狭間の落武者、クリスマスの少女── 死霊《カスタマー》は今日も厄介…

ダークミステリー短編作品です。 僕の心理を描写することによって、殺人なのか、事故なのか、自殺なのか。あいまいな物語がはじまります。 ※本作品は完全なフィクションです。実在の人…

空に棲む《無相竜》は姿を持たず、村も森も“直線”で削り取る。 槍も呪符も祈りに等しく、再現しない。王国が選んだのは英雄ではなく「観測」と「合図」。 漂塔の賢者が空の傷を測り、星脈…

★脱力系エンジニア×ドローン型AIの異色バディによるSFエンタメ短編連作★ 　■　■　■ AIエンジニアの安藤アキト（３０）は、完全自律式のドローン型AIエージェント・メメを…

「心不全じゃないかも。 　もっと深い、……“空白”みたいなものがある」 出版社勤務の女性が、自宅で静かに息を引き取った。 死因は心不全。遺書も争った形跡もない。 だが、刑事・朝…

とある地域に伝わる都市伝説。『見る者によって姿を変えるあやかし』が存在するという。 出会ったら最後、積み上げた躯の数は天まで届くと恐れられていた。 しかし、そんなあやかしを、…

――黒猫が流れている。 「彼はどこへ行くのだろう？」 僕は、空をぼ～っと見上げていた。 「お教えしましょうか？」 と声をかけてきたのは三十路手前の未亡人。 どこか冷めた作家と、…

ソニアは告白した－ マグノリア学園でスーザンが殺されていた。犯人も捕まった。あたしは学園を離れる日……ソニアが車で送ってくれることになったの。 だけど……煙草を吸いながら、彼女…

元詐欺師のフィアーが、 事件へ好き放題に介入し、 口先と頭脳でバッサリ解決!! 1919年 ロンドン ルイシャム地区。 借りたアパートを探偵事務所に改造し、 フィアーは勝手に『…

人は、自分が悪いと気づかないまま、 他人を傷つけ、追い詰め、殺してしまう。 その悪意は、死後になって最も濃く熟れる。 霊が“視えすぎる”青年・博楼玲人は、その力を消したい一心で…

短大二年生の藤野美知子は、不可思議な謎を解くのが得意である（妖怪の仕業と思われたような不可解な事件で、妖怪の仕業でないことを解き明かしたことがあるが、妖怪の実物に遭遇したことはな…

今、そちら側に向かいますね。

自主企画に参加したうみたたんです。余韻が残るような短編になったかと。読んでもらえると嬉しいです！ story…… 真夜中、ニールは相談室を訪れる。そこには眼鏡を外したジャンユが…

この”パイプライン”は、人でなしが作った悪趣味なゲームのようだ。もしくは地獄のような、何かの罪を清算する場所なのかもしれない。繰り返される”参加者”達の死を眺めながら、そんな事を…

　学生向けマンションに住む女子大生が殺された。彼女は窓のカーテンを閉めておく習慣だったが、ちょうど犯行の瞬間、カーテンのわずかな隙間から室内の様子を目撃した者がいて……。 （「…

「幽霊など存在しない。この世にあるのは物理現象と、脳が見せる『バグ』だけだ」 大学の民俗学准教授・久我山蓮（くがやま・れん）は、端正な顔立ちに着崩した和装、 そして首には最新鋭…

【カクヨムコン11 短編】エントリー中 100%会話劇なので、何も考えずにサクサク読めます。 火星探査データを解析する深夜のコントロールルームで、同僚の男はぼやいた。 「ど…