元詐欺師の自信過剰男・フィアー・フライが、自称「世界一の名探偵」として1919年ロンドンで大暴れする英国風エンタメミステリです。
詐欺師時代のズル賢い手口と頭脳をフル活用し、敵も味方もダマしながら事件を解決していく姿が最高に痛快。
幼馴染のラズリーとの軽快でコミカルな掛け合い、瓶ソーダを偏愛する変人設定、ブラックユーモアたっぷりの会話劇がクセになります。
ただのギャグではなく、謎解きと伏線はしっかり本格的。
一見コミカルなのに意外と納得の推理が光ります。
お堅い本格ミステリが苦手な人でもサクサク読める、読みやすさと面白さが絶妙にバランスされた良作。
クセ強主人公が好きな人、笑いながら推理を楽しみたい人、英国探偵ものテイストが好きな人には特におすすめです。
この小説はあらすじと設定がよかった。本文も、小学生のときに読んだホームズやポアロを彷彿とさせる。
無論、あらすじを読んで面白そうだと思っても「読み続けたい」と思わせる力が必要である。
しかしこの作品は、カクヨムコンでよいのだろうか? 角川つばさ文庫小説賞など、本にするなら児童文学がよいのでは、と個人的に思う。
何より、人死にがないミステリー(まだ一章しか読んでいないが)こそが、近代のエンタメ市場、児童文学に必要である。
また、美食学という概念も、同じ食についての小説を書いていたので非常に参考になった。
今後筆者に期待することは、既存の古典的探偵ものに引きずられないでほしいということであろう。
あくまでも私たちは、『一次創作者』でなくてはいけないのだから。