概要
事件へ好き放題に介入し、
口先と頭脳でバッサリ解決!!
1919年 ロンドン ルイシャム地区。
借りたアパートを探偵事務所に改造し、
フィアーは勝手に”名探偵”を始めてしまった!
“騙す”男が、“見抜く”男に、ジョブチェンジ!!
だけど、自信過剰はそのままで――。
もちろん、肝心の探偵業は、ズブの素人。
しかし、口八丁な、この男。
自分に探偵の才能が眠っていると、信じて疑わない。
あげくの果てに、事務所の真ん中で、
“世界一の名探偵”を目指すことを、高らかに宣言。
幼馴染のラズリーや、依頼人たちの善意、
そしてルイシャムの人々を、好き勝手に利用しつつ、
型破りな方法で、奇妙な事件を解決し続ける。
ときには“元詐欺師”の血がさわぎ、
事件を複雑にしてしまうこ
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!その男、「元」詐欺師につき
舞台は1919年ロンドン。主人公は「元」詐欺師、現職は探偵のフィアーという男。
その他人を巻くような舌の回り具合、慎重さとはかけ離れた大胆な行動の数々は、現役の詐欺師も顔負けなのでは?という立ち振る舞いですが、
謎解きとなると一転、その観察眼やロジックを解き明かす口上は本物です…!
謎解きの面白さはもちろん、緻密な時代背景に加えて、キャラクターの生き生きとした描写力も魅力的です。
彼らはこの物語世界で生きている。コミカルな会話劇の中に光る、登場人物一人ひとりの深さが秀逸です。
ミステリーとしての奥深さを味わいつつ、彼らの賑やかな一幕を覗き見て、クスリと笑えるような御作品です。 - ★★★ Excellent!!!嘘つき探偵の“真実”が痛快!
詐欺師から探偵にジョブチェンジ――とちょっとトリッキーな設定。
しかし、本作の主人公フィアー・フライは、そんな常識を軽々と裏切ってくれます。
口八丁手八丁で事件に踏み込み、誰もが「うさんくさい」と思うのに、気づけば彼の推理に引き込まれている。軽妙な会話劇と、抜け目ないロジック。そして何より、どこか憎めないおかしなキャラクターたち。
物語はテンポよく進みつつも、謎の仕込みや回収がしっかりしていて、読後にはちょっとした快感が残ります。コミカルなのに知的、ラフなのに計算されてる。この絶妙なバランスがクセになる。
「正義なんざクソ喰らえ!」というタイトルの挑発に乗る気がなかったはずなのに、気づ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!『楽しい』ミステリを読みたいならぜひ
この作品はいくつかの要素により『楽しい』ミステリとなっています。
まず、文章。全体的に小気味良いです。ただ特筆すべきは、ミステリとして避けられない『状況説明』や『解答内容』も読みやすいことでしょう。キャラクターの動作やセリフがそれらに無理なく合わさっているので、読者は世界に入り込み、また、思考を楽しめます。
次に、読者にフェアであること。
探偵は信頼のできる語り手でありました。
謎を解く鍵は解答の前に全て記され、かつ、ミステリ慣れした人には『ん?』と感じさせる適度な違和感と共に提示されます。
かといって、それがどう繋がるの? までは、しっかりと考えなければ分からないバランス。…続きを読む