「窓」を含む小説

（ジャンル迷子） 吹雪の夜、列車に乗る「私」は窓越しに映った傷病兵を見たことをきっかけに戦場で慕っていた先輩を思い出す。

　三月の、夕日が彩る君の前髪。 　その下では、いくらか透き通った赤い縁が、淡い光の額縁のように、大きな瞳を際立たせている。 「どうかしたの？」 　私より頭一個分は低いところから、…

呪術に「狐の窓」というものがある。 手を手順通りに組み合わせ、呪文を唱えると、その指の隙間から化け物を見ることができる。 そういう呪術。 その呪術の複雑な手順を全て省略して、その…

アリスの"夢現の国"での生活が始まった。彼女はこの奇妙な国の王として住民たちから応対され、どこか当たり前のようにその役割を果たしていった。 　朝は広間で円卓を囲んで食事を共にし…

ある少女は『彼』と教室の窓から見えた色を当てるゲームをしている。その傍の机には、『怪物の卵』が置かれていた。

高校一年生の佐藤静(男)は気が付くと暗闇の中にいた。寝落ちし夜中になってしまったのかと思ったがどうやらそんな雰囲気ではない。 何やら大きな異変が起こっていることを肌で感じ取った…

私は絵を描いている。公募に落選し続ける度に自分の中に育つ、不細工な批評家に自分の絵をけなされっぱなしだ。海の見える部屋に引っ越した、ある日、窓を壊して、もふもふの「僕」が入ってき…

KAC2024第6弾【トリあえず】参加作品です。

宰相から近況報告を聞く国王。窓の外を見て、国王が待っているものとは。

『ミジンコだったんです。』は、前世の記憶を持つ少年、美織学の心温まる物語です。彼は、人としての生を受けながらも、前世がミジンコだったという珍しい記憶を持っています。この記憶は彼に…

阿部四郎の心の思うままにそのままを突き詰めて書いてみました。

　この「カクヨム」というサイトに慣れるために、お祭りに参加した次第であり、この小説で読者が得られるものは特にない。むしろ調べ物をするためにスマホの検索窓に文字を入力する必要がある…

雨が洋館に静かに降り注ぎ、窓辺でひとりの少女が寂しげに外を眺めています。彼女の傍らには、かつての捨て猫だったクロがいます。彼女は家族や周囲の人々との関係に悩みながらも、クロとの絆…

　外で煙草を吸うなら窓を開け放したままにしないでほしいし、距離感近いあの子とは話さないでほしいし、恋人として私のことは離さないでほしい。という百合。 　ベランダに出るときのドア…

二十五階の窓の外では風に吹かれて花粉が舞っている。 外ではわがもの顔の風も花粉も窓の内っかわの平穏を乱すことは許されず、アキコ隊員はネイルのケアに余念がない。 KAC20245…

お飾りの王妃が自室の窓から飛び降りた。 目覚めたら、死を選んだ原因の王子と初めて会ったお茶会の日だった。 王子との婚約を回避しようと頑張るが、なぜか周りの様子が前回と違い……

劇的でない死に直面した男の話

　それは穏やかな放課後の教室。窓からの暖かい日差し。 　彼女はしばらくの沈黙の後、口をひらいた。 「ねえ、あなたはなんでそんな『死』のことばっかり考えてるの？」 　彼は、彼…

窓一つない真っ白な部屋で生活する僕。時折現れる人々。外の世界を知らない僕にとって新鮮でありながら、気分のいいものではなかった。 僕は、この先どうなるのだろうか。