心の窓

阿部 四郎

第3話 日常的なADHD

タイトルにあえて日常的なと付け加えて見たが、私は自分が障害者なのだと自覚して、はじめて前に進む事が出来ました。


最近こんな事がありました。


私のいる建設現場の寮は物が良くなくなります。


うっかりはいつもの事だが、下駄箱付近にライト付きのヘルメットを1時間程度置き忘れてしまった。


 置き忘れに気が付いて自分の記憶をたぐり寄せながら、あたふたと探し回った。


どこを探しても見つかりません。


30分くらい探し尽くして、なんとなしに大きなゴミ箱に目をやると目視的確認があったわけでもなく、なんとなく上に置いてあったビニール袋を取り上げてみると有ったではありませんか。


私のヘルメットさん



名前シールにあべの文字。


間違いない。


私のヘルメットだ


なんか足りないと思い改めて見えると



はずのないあべの文字。


あっ


『ヘッドライト 』がついてない。


ついてないけどすぐに


よかった。私はついている。


このアクシデントを予定したわけでもなく、その日たまたまバッテリーを抜いていた。


本体も散々悩んだ末に安価なモノをえらび、バッテリーを高級なタイプにアップグレードにした。


盗まれてしまったのは、残念だったが不幸中の幸いでケガを最小限に押えられた感がある。


ADHD持ちの私は置き忘れが多い、こうした事を寮の管理者に伝える


『あのー、ヘルメットを置き忘れて・・・』 話し終えて言葉尻に被せるように寮長は言った。


出てきた言葉は・・・


『ここは、物がなくなるんですよ。みんな持って行っちゃって、そういうところなんですよ。』


馴れたように言った。


忘れたりらダメなんだとも、言われた。


そんな事はわかっています。


心の中でつぶやいた。


私は報告と、別のお願いをしたかったのだ。


人と話をしていると、こちらの意図と違う方向に行ってしまう事がある。


それもお互いの世界の違いからくるものだと私は理解してる。 


人は会話の流れから、勝手に展開と行動を予測しながら言葉をはっしている人が多いのだ。


寮長は『紛失は自己責任。

管理をキチンとして下さい!』というニュアンスを露骨に


『ここにいる人はロクな人がいないので出て、こないですよ。』という言葉に様々な要素を詰め込んでいる。


 私もそのロクな人に含まれているんだと思った。


 話を戻すと私は出来事を知って欲しかっただけでそれ以上は出てきたらよろしくお願いしますくらいの事を伝えたかった。


仕事現場の寮で私は沢山置き忘れ、忘れては報告し『なくさないでください。』と寮長から言われる。


しかし、私はADHD。


昨日は玄関先に傘を忘れて出てしまった。


また、なくなってしまうのは悲しいので、電話で、寮長に傘を置き忘れしまった事を伝えると見もしないで『持って行かれちゃいますよ。』っていわれた。


見てもらえないでしょうかってお願いすると『ありました。』


『よかった!』と私


余計な言葉は聞きたくないないので、先手を取るようにつけくわえる。


『ありがとうございます。保管お願いします。』


日頃の会話から人の心の中がわかるんだと気が付いた事と周りの人の言葉や行動から沢山の生きるヒントがある事に気がつける事に楽しさを見つける事ができています。


会話する事に臆病にならずに・・・


気付ける私は大丈夫なのだ。

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