「火葬場」を含む小説

　私が殺したひとは、短い命を散らしたあとも、美しいままだった。だけど死んでから、新たに動き出すことはなく、時を止めた肉体は、そのまま焼かれて、骨になってしまった。私は火葬場には同…

中学入学初日、生真面目でコンプレックスの強い啓子は華やかな美人で女王的存在の真理奈と知り合い、反発を覚えながらも強く意識していた。 卒業後交流はなくなり、それぞれの人生を歩んだ二…

得たいの知れない老女と骨上げをするはめになった田代くんが行き着いた先とは――。

公務員呪術師ＯＢのじいちゃんが墓地で拾った捨て子。 ドーレマ（ドーレーマ…贈られたもの）と名づけられてすくすく育ち、ソーラーシステム第五大学呪術学部で学業にいそしんでいる。 全学…

仕事を辞めて“俺”が夜勤スタッフになった安い老人ホームの二〇一号室には、悪魔がいる。 老人は真夜中だけ美しい若者の姿になり、「女の命を吸ってずっと生きてきた」と語る。 ひとりの女…

母を弔った火葬場の収骨室で、ふと記憶の底から浮かんできたのは、わたしが小学生の時に発生したある連続児童殺害事件の犯人の顔だった。 ひょっとしてわたしは、とんでもない思い違いをして…

ある朝の通勤の道で……

長編をね、書いてたんですよ。そしたら、『火葬場』と書くべきところをちょっとしたはずみで『花葬場』に誤変換しちゃって。その途端、この後に何を書こうとしてたんだか思考がばらばらに散ら…

自主企画用に拙作短編集より抜粋。 変な話です。

小学校の屋上から、遠くの丘の上に見えた長短二本の煙突。 二本の煙突は火葬場であるという噂があった。私は何度か煙突を見に行った。 馬の合う友だちの浩志といっしょに見に行ったときと、…

これは私が7歳の頃経験した不思議な話。 　小学校が終わるとすぐ曾祖母の家へ行き、夕方まで過ごすのがその頃の私の日課でしたが、ある日突然曾祖母が亡くなりました。 　お葬式の日、疲…

　――それでもこの世界は止まらない、現実はいつまでも生き続けるから―― ４人の主人公が東京の火葬場を舞台とし、繰り広げるヒューマンドラマ・ストーリーです。 連作短編で群像…

ハワイはワイキキの北西に位置する街が「カイムキ」。高層ホテルが乱立するワイキキ、ゴージャスな邸宅が居並ぶカハラとは全く雰囲気を異にしたこの街に一本の大きなプルメリアが目印の二階建…

「私より先に死んでください」 　それが、私と結婚する彼女が提示した唯一の条件だった。 　普通、こういうものは「私より先に死なないでください」と言うのじゃなかろうかと思い、そ…