「死に別れ 短編」を含む小説

　アラサーの晩熟な手芸師が、幼い頃暮らした中国への思い出ツアーで、結婚早々に妻に死に別れた大学の助教と出逢って、真実の愛に心ときめかす晩熟の恋・・・

　雪に覆われた山脈の間には、結界が張られて人間が立ち入る事ができない、生きている ゆきだるま達が暮らす村があった。 　生きる ゆきだるまの中でも異端児。熱い心を持つ『雪村ゆきお』…

　その昔、ある理由で何よりも好きだった猫と煙草を自分から遠ざけていた久蔵。しかし、妻の死をきっかけに半世紀ぶりに猫を飼い、そして煙草を吸う事にした。

金里将太は２０１０年の６月初旬の夜に不思議な夢を見た。それは昔、飼っていて死に別れたオウムのケン吉が出て来る夢だった。３年振りの再会に感激する金里ではあったが、ケン吉の方には特に…

傲慢な女王は、幼い頃から玉座に君臨し、小さな国の女王として気高く振るまう。食事も水も選り好みし、高級な品しか受け付けない。 身に纏うものも一級品でなければならず、材質にも細かいこ…

いろいろな別れのかたち８編

　妊活のため仕事を辞め、自宅でイラストレーターの仕事を始めた美里は、ある検査に『要精密検査』の判定がでた。それを結婚７年目の夫の武尊に相談するも取り入ってくれず――。 「ほらっ…

妄想癖があるアラサーの高井ちとせは、子供の頃に死に別れた初恋の人、神代翔を忘れられずにいた。周囲の詮索を避けるため、翔の親友だった別所飛鳥と「恋人のフリ」を続けている。 「生前の…

植物に覆われ、夜の光を失くした日本。地上を食い尽くした植物の時代はついには終わりを迎えるが、人々は自然の蔓延るなかで光のない夜を耐えていた。 生存競争を越えて生き残った”シダレ…

大正から昭和初期の東京を舞台に、オペラ『椿姫』の物語と、男性音楽家二人の恋愛を重ね合わせ、洋楽受容の揺籃期を描く。 「国民歌劇」の創生を夢見る音楽評論家伊庭孝は、新人声楽家藤原義…

ある日、庭に子猫が迷い込んで来ました。これは拾ってから里親さんが見つかるまでの話です。「うちでは飼えないから、捨ててきなさい。」その後、猫がたどる道です。実話になります。少しでも…

玲奈は毎晩決まって空を眺める。 どんなに眠くても、用事があっても、雲がかかっていても――――

もし、自分より大事な人と死に別れたとして。 それでも一目でいいからもう一度会いたいと思えるなら。 一生に一度だけ。夕暮れ時に唱えれば。 黄昏時にだけ、そんな願いをかなえてくれる。…

高校生の理沙には、誰にも言えない秘密がある。 実の兄である智樹とは、前世で死に別れた恋人同士だったのだ。 禁断の恋に苦しむ二人。 けれどある日、幼なじみから告白された理沙は――…