「指先 短編」を含む小説

妖艶な画廊の女経営者・河澄夜見は、画廊を訪れた画家志望の青年・皆葉壮士の指先を見て懸想する。 壮士を、養父から受け継いだアトリエに招く夜見。自分の身体をモデルにして、壮士に裸婦像…

彼の器用な指先から溢れ出す音が私の心を掴んで離さない。天才的なギター男子とそのバンドの作詞をすることになったロック大嫌いな女の子の、誰にも内緒の恋の話。

春先の夕暮れ、冷たい風が指先をかすめる。 本当は、抱きしめたかった。 でも、それは許されない。 だからせめて、この温度だけは――。

「ふっ、謎はすべて解けたようだ」 彼が前髪を繊細な指先で払う時、この言葉に全ての犯人が肩を落とす。 探偵、稲葉龍之介の活躍を描いた本格推理短編小説。 第二次世界大戦終了後、稲…

普通の毎日を送っていた僕の前に現れた不思議な彼女。ある日、彼女は自分の指先から糸が出ると言い、実際にそれを見せてくれる。最初は驚き戸惑う僕だが、次第に彼女の奇妙な能力に引き込まれ…

白星会医科大学病院の救急（ER）に交通事故の患者が搬送されて来た 勤務を終え、帰宅しようとしていた彩葉（胸部外科医）にヘルプ要請が入る 仕方なくERに行くと、医師は研修医しか…

雨の音は静かに始まった。深夜の空を叩く小さな滴が、やがてしとしとと降り続く。それは、耳を澄ます者の心にじんわりと沁み込んでくるような優しいリズムだった。外灯に照らされたアスファル…

【カクヨムコンテスト10・中間選考通過しました！】 王都に姿を見せることもほとんど無い、町外れの屋敷に住むダヤマイルズ子爵家。 そこでは、半年前から当主とは何の血縁もない女が権威…

日々はただ続いていく。けれど、私は怖いのだ。 一歩前へ踏み出すことが。 波音が胸を満たす。 何かが始まるわけでも、終わるわけでもない、ただこの儚い瞬間だけがそこにある。 掬…

白い雪と氷と、黒い山々に囲まれた温泉街を散策していた僕に声をかけてきた若い男は、指先が白く凍りついていた。彼はずっと昔、ある美しい池に落ちたことがあるのだと言う。

引っ込み思案で人見知りだった少女は、優しい記憶と豊かな愛情の欠片を胸に秘めながら、 とある事件をきっかけに憎しみを育て続けていた。 そんなある日。 美しく成人し、社会に身を書…

File.0 　高校生になって二回目の夏休みは、記録的猛暑で。そりゃあ、毎朝ニュースでエアコンを付けるようにキャスターが呼びかけるわけで。テレビから朝のニュースが流れるリビング…

　音楽大学の練習室で響く一筋の歌声。 　ピアニストの藤堂春香は、その透明な歌声に心を奪われる。 　声の主は声楽科の星野麗子。 　二人は音楽を通じて急速に距離を縮めていく。 　しか…

〜あらすじ〜 　神が地上に顕現する時代。 　ミガーネの街を訪れた美貌の余所者。その目的は、依頼主シエラ・バーンネルの母親の仇、「闇を泳ぐ魔物」を捕らえることだった。 　これ…

夏休みの静かな美術室で、行き詰まる高校生の少年は、見知らぬ少女と出会う。彼女は同じ制服を纏いながら名簿にない存在だった。透明な指先でキャンバスに色を落とし、少年の胸に消えかけた創…

※「指先の想い出」を改稿し 、こちらはマリーの一人称で書いています。また、設定が違う所も多く、違うお話としてお楽しみください。 　貧乏男爵家のマリーは転生者だ。立派な領主だった…

　――陸、達海、天也の三人は、ある朝、異能に目覚める。 　異能を手に入れたらまずなにをする？　もちろんエロいことをする！ 　思春期の欲に素直な三人が巻き起こす、因果応報ラブコメ…

　伯爵家の三男、エリヤス・フォン・キルシュはうんざりしていた。実家から「卒業するまでに誰かいい人を連れて来い」と催促されているからだ。 　美しいエリヤスは女性にはモテモテだが、…

高校に入学して、少し慣れた頃。 あなたが放課後の渡り廊下を靴箱へと向かっていると、向かいからとても大きな袋を背負った女子が駆けてきました。 すれ違いざまにつまづいた彼女に気づき、…

　朝霧の立ち込める東京郊外の研究所。 　17歳の天才物理学者、美紗は、量子もつれの実験に没頭していた。彼女の指先から繰り出される複雑な数式が、ホログラフィックディスプレイに次々と…