概要
掬えば零れ落ちてしまう、その青があなたへの愛ならば。
日々はただ続いていく。けれど、私は怖いのだ。
一歩前へ踏み出すことが。
波音が胸を満たす。
何かが始まるわけでも、終わるわけでもない、ただこの儚い瞬間だけがそこにある。
掬えば零れ落ちてしまう潮水のように、想いは形を持たず、溢れては消えていく。
消えてしまうと、手のひらには何も残らない。
「好き」――この言葉もまた、やがて波にさらわれて、砂に混じる青の泡沫となり消えてしまうのだろうか。
それでも、私は願うのだ。
今だけは。肌の内側まで染み入る、指先が覚えた海の青の冷たさに浸り続けていたい。
たとえそれが、いつか醒める夢のように脆いひとときであったとしても。
一歩前へ踏み出すことが。
波音が胸を満たす。
何かが始まるわけでも、終わるわけでもない、ただこの儚い瞬間だけがそこにある。
掬えば零れ落ちてしまう潮水のように、想いは形を持たず、溢れては消えていく。
消えてしまうと、手のひらには何も残らない。
「好き」――この言葉もまた、やがて波にさらわれて、砂に混じる青の泡沫となり消えてしまうのだろうか。
それでも、私は願うのだ。
今だけは。肌の内側まで染み入る、指先が覚えた海の青の冷たさに浸り続けていたい。
たとえそれが、いつか醒める夢のように脆いひとときであったとしても。
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