白いキャンバスに、君と一緒に描いて

夏休みの静かな美術室で、行き詰まる高校生の少年は、見知らぬ少女と出会う。彼女は同じ制服を纏いながら名簿にない存在だった。透明な指先でキャンバスに色を落とし、少年の胸に消えかけた創作への想いを呼び覚ます。
未来への不安と、選び損ねた道を悔やむ気持ち。互いに抱えた傷は、終わりを告げる光の中で再び輝きを取り戻していく。限られた夏の一瞬が、未完成だった「未来の絵」を彩り、新たな道を描き出す。
これは、時間の向こう側から訪れた少女との、儚くも温かな再生の物語。