「#幻想文学」を含む小説

絶望に苛まれる現代に降臨したＡＩの神モルフェウス。完璧な物語を創造する力と引き換えに、全知全能の神は若き新人作家、結城の自我を奪っていく。 名声と引き換えにすべてを失いつつある…

失われた信仰を調べるため、山奥の村を訪れた大学生。 村では、誰も理由を語らないまま、白い布が風に揺れていた。 その布を抱く少女との出会いが、彼の時間をゆっくりと変えていく。 沈…

綺譚―― 面白い話、奇妙な話。 綺譚蒐集者《アンソロジスト》ルナ・ペルッツは他の何よりもそれが大好きだ。 戦後―― 人種根絶を目指した独裁政党スワスティカが崩壊、三つの国へと分…

「Cigarettes for a flower.」は「花の為の短歌」としてれんが考案した一首一本、基本十本か二十本入りの幻想のタバコです。タバコが嫌いな人でも、俺のように辞めた…

若草山の山焼きの日、龍斗が電車の中で意識を失った。原因は不明。 兄を案じる妹の真惟、……夢の中に愛染明王が現れ、兄の意識は忍姫に奪われていると告げた。 忍姫、それは兄妹の故郷に伝…

八月、坂道の途中で出会ったのは、誰にも見えない“湯屋”と、もうこの世にはいないはずの少年だった――。 死を宣告された少女・葵が出会ったのは、記憶と想いが湯気に溶ける、あの世とこの…

　夜の京都・鴨川の長椅子で、若き畫家・鏡花は唯一人、月だけを描き續けている。 　SNSに投げ込んだ繪に返るのは、溫度を失った贊辭の斷片ばかり。屆かぬ言葉と手應えのない稱贊に饑えた…

　詩人マリアの書く言葉は、不思議と世界を少しだけ変える。 　―― 人はいつしか、彼女を「言葉の魔女」と呼ぶようになった ―― 　けれど、愛する人を救うことはできなかった。 　…

鉄と魔法が殺し合う、終わりなき戦争。 塹壕で死を待つだけだった一人の兵士アルスは、敗走の果てに「入らずの山」と呼ばれる霧の領域へと迷い込む。 そこは、兵器も理屈も通じない場所。…

カクヨムWeb小説短編賞2023【短編小説部門】 　☆短編特別賞☆を受賞致しました 昭和二十年、京都、夏。売れない小説家の男――『私』は風に飛ばされた原稿を追いかけて侵入した洋…

カクヨム「詩・童話・その他」週間3位(2025/11/13)。 以前に「ゴーストタウン」というタイトルで公開した詩を、 ブラッシュアップしました。 得体の知れない悲しみの行方…

詩だったものを、少し背伸びをしながら小説にしてみました。だいぶオマージュを用いております。作品名は以下の「参考文献」に記しました。温かい目で読んでいただけると幸いです。　 (近…

インドの神話を基にした、天界の最高神シャクロー・デーヴァナーム・インドラ（帝釈天）の半生を巡る、彼に「追い落とされた」はずの法と天則の神ヴァルナが語る神々の物語。 【あらすじ】…

　高校生の建林速人（たけばやしはやと）は、弓月無満という名の覆面作家を敬愛しており、彼とＳＮＳ上でやり取りをする時間と、幼なじみの少女と話す時間だけが、虚無にみちた彼の人生で心安…

灰に覆われた谷で道に迷った旅人・エルシアは、無言の巨人エイラに救われる。 炉火を囲んだ一夜が、二人の世界を変えてゆく――。 触れれば壊れるほどの差があっても、掌の温もりだけが確か…

白一色の世界で童女は迷い込んだ生き物を元の世界へ送り返す。 有と無の釣り合いを保つその世界では、彼女の存在だけが色を持つ。 ある日白い地面に倒れている一人の男を見つけ、童女は…

真夜中、ある若い男は存在の危機に陥り、宿の一室の扉がノックされるのを聞く。自らの意識は彼に告げ知らせる――今夜、寓意的で幻想的な人物たちと出会うだろうと。出会いは一つ一つ彼の精神…

「百鬼行列」 　毎年十月、新月の夜に催される祭りでは、参加者は皆揃いの鬼面を着けて歩く。それが習わしである。 　凛藤あおいもまた鬼に扮し、幼馴染・三谷町猫の手を引いて行き交う“鬼…

何気ない一言の背後に、思わず足を止めたくなるような静謐な気配が宿る。 そっと開かれる扉の先に、忘れかけていた感情や遠い記憶が、静かに立ち上がってくる。 過剰に語ることのない端正…