「腕だけ」を含む小説

料理人の前世の記憶持ちであるとある公爵令嬢は後に王太子妃、そして王妃となった。 その令嬢は友人達にこう言った。 「私達、一度婚約破棄までしかけたのよ」 仲が良い夫婦として有名…

音楽室で、友だちが腕を切っていた。 ――痛いくらいに暑い、中学最後の夏、必死になって、フルートを吹く。一緒に吹いていられれば、理由なんて必要なかった。 ＊第二回氷室冴子青春文学…

　高校に入学して間もない水谷 裕希斗は毎日を何となく過ごしていた。その日も何となく帰宅していると自分に懐く子猫っぽい小動物が。今まで猫に好かれた事のない彼は人生で最高の瞬間を迎え…

～概要～ 煌びやかな夜を照らす華街、騒がしい酒屋の盛り上がり、女の嬌声が幾重に聞こえてくる売春宿、金を湯水の如く使い、凄惨に自身を破滅させていく賭場。 酒に女に金、全てが手に入る…

短編集／『幻　―まぼろし―』2011年8月5日発行 それは 短い腕では届かないもの それは 願っても届かないもの それは もう何処にも届かないもの それは、

　中学生の裕美子は、自宅の物置で洋菓子の焼き型を見つける。それは昔、曾祖母がパティシエをしていた時に使っていたものらしい。自分にもその血が流れてる！と奮起した裕美子は、さっそくマ…

【ＰＲ文】 　高１の鷹大（たかひろ）は、山の崖から転落し、走馬灯を見て生きるのを諦（あきら）めてしまう。 　だが、生（せい）を諦めるのは脳細胞なのだ。他の細胞たちは必死に生きよ…

　特殊清掃業を生業としている黒東涼(コクトウ・リョウ)は今日も依頼を受け車を走らせる。向か場所はとあるオンボロアパート。依頼人の大家から少々の愚痴と雑談を交えて、その一室に入る。…

少年は、幼い頃から正義の味方に憧れていた。 しかし、自分には特別な力なんてない。世界を救えるようなヒーローにはなれない。 だったらせめて、大切な人たちだけでも守れる人間になろう。…

……夏の空。蝉の声。貴方の手には最愛の人。 貴方はもう助からない。貴方は既に化物だ。それでも、歪んだ腕で、歪んだ心で。護れるものが、まだあるから。 ――貴方の心が死にきる前に。

祖父の形見の腕時計　孫は時計をどうしよう

　ある日、寂れた校内神社にお参りをしていた水月と、それをたまたま見かけた清正は、二人して近くの池に落ちてしまう。池から上がったはいいものの、本来使えたはずの精霊の使役ができなくな…

　繁殖を目的として、様々な物質を溶かして体内に摂取する必要のある魔物種、スライム。その中に身体機能の異常により、繁殖出来ないにも関わらず、武器を溶かし続けるスライムがいた。 　と…

音楽室で、友だちが腕を切っていた。 殺したい。息苦しい現実の中でフルートを吹きながら、二人は共に願った。 現に秘せられた、幻覚のような傷と音色の青春。中学三年生の夏。 ＊一般的に…

君たち冒険者《ハンター》が狩ってきた魔物《モンスター》って誰が素材にしてるか知ってる？ え？逆鱗しか興味ない？ 逆鱗を持つ個体を選び、逆鱗を傷つけず狩り、腕のいい解体屋に依頼する…

它翅 ‏ @kutinawatubasa　（Twitterログ1月18日～ 朽縄は静寂を好みます 少々荒っぽく 慾、刎ねるので 美しく華散ら慕いと 舌で絖つけるのでしょう で…

大切なお友達へ。 紺ちゃん。私だよ。たくさんお手紙送るって言ったのに、遅れてごめんね。ちょっと腕を怪我して文字が書けなかったんだ。私のことは置いておいて、そっちはどう？ 勉強は…

天文部 ・東晴(あずはる)♂ 天文部 部長 流されやすく、クラスでも多数決なら多い方に手をあげるタイプ。 部長になったのも流れるように引き受けてしまったからで、内心は不安だらけ…

近未来、アームリフトと呼ばれる二本の腕を持つ作業用重機が建設現場で使用されるようになり数十年が経過した日本。 家庭事情から十六にして熟練したアームリフト操縦者となった由良アイガは…

「お辛いでしょう、苦しいでしょう。もしこの世に未練がないのなら異世界という新天地で新たな人生を歩んでみませんか？」 今年、やっとの思いで就職したオレはブラック企業の過酷な業務に…