它翅

詞梳記(ことばとき)

第1話 つきひがかわるとき

剥離と剥けた皮膚は柘榴意図も容易く薄彩を換え摘んだ腱は強靭に間延び不自然に歪み標本とそっと成り果て畏怖を与えている。黄に侵す海は混濁し天井にぽっかりと孔を二つ空け月と生った柵に依存した血管は執拗に異音だけを飛沫と血に老いて蛆解かす。死を捲る惹き廻る隙間は乾いた画面だけで出会う。「憑き碑が替わる説き、可憐堕」

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