「３６５」を含む小説

とある少年が少女に会いにいくお話。

首相補佐官が血相を変えて官邸に飛び込んできた。「なんだねこんな時間に。騒々しい」「首相！それどころではありません！ミサイルです！」

「隣国を攻める支度をしろ！明日には侵攻する！」王宮はにわかにざわついた。突然な開戦宣言である。騎士団を取りまとめるラザロは、王の座前で声を張った。

「おっと、久しぶりにそんな言葉を聞いたよ。意味を説明してご覧」「詭弁を用いるな、という意味だよ。これは君を正面から罵っているんだぞ」

駆動音がしないエアコン。澄んだ空気。シートの匂い。整えられた音響は自宅のそれとは全く異なる。どうしてこんなにも大きな画面なのに、画が粗くないのだろう。どうして手を触れたくなるよう…

真っ白な壁が眩しいオフィス。応接セットにて、依頼人の男は頭を抱えていた。「じゃあ、どうやったら奴を合法的に殺せるんですか。教えてくださいよ！」向かい合って座る女は、溜息ののち、「…

夫は反対した。それもそうだ。義理の母と今更どうこうなろうなどと、私だってムシのいい話だと思う。

しかしAI搭載ロボットの動きは止まらなかった。「目標数値マデ、アト560gデス」

「なにぃっ！？」震える声の知らせを聞いた私は、大きく音を立て椅子から立ち上がる。つか、つか、つか。靴の音を響かせながら部屋を歩き回った。ついでに、持っていたパイプを指でくるくると…

そのための鍛錬を積み、半生を捧げてきた勇者は、ついに魔王と対峙していた。 「やっとここまできたか、勇者よ」

彼が入社してきて数年、私の仕事は目に見えて楽になった。こんなに仕事ができる部下を持ったのは初めてだ。彼は上司である私の行動の先を読み、常に一手先のフォローを入れてくる。素晴らしい…

その体表はワニのような鱗で、四肢はゴリラのように太い。ずんぐりむっくりしたシルエットだが、顔は人間そのままらしい。それも、還暦をこえた老人のような顔つきで、髭を蓄えているとか。

「いいから早く！君はこの場から避難しなさい！さあ！」突如現れた大怪獣が街を蹂躙していた。避難警報、泣き叫ぶ子供の声、パトカーのサイレン、車の防犯音、地響き、降り注ぐ瓦礫の墜落音、…

有限会社えいあいドリーム あなたの好きを仕事に！人気アニメキャラクター等の【イラストレーター】（契約社員）

　ある年の元日、俺こと守矢月鳥のもとに、猫耳猫尻尾を生やした謎の小人ハンプバックが現れる。ハンプバックは、『守護小人ランキング決定公認バトル』に勝ち抜いて『七人の小人』に選ばれる…

政界のフィクサーと噂される、影の人物。指先一つで大企業の幹部を動かせるらしい。手を叩けば法案が成立するらしい。髭を撫でれば関税を通過できるらしい。そんな噂がまことしやかに流れる、…

汲んでは、隣にこぼし。汲んでは、隣にこぼし。しかし、落ちるのは水滴のみである。……なにをやっているんだい。尋ねられた女は、井戸を見やってから答えた。

突如として東京都墨田区押上1丁目1-2に生えたブロッコリーは、急速に成長した。少し目を離した途端に、あれよあれよと三倍にも膨れ上がっている。また膨れ、また育ち、また巨大となり。墨…

結婚を考えている人と一緒に暮らすのは忍耐の始まりだと、母は言う。確かにそうなのかもしれない。笑って済ませて、心の中で舌を出しておけば良いのかもしれない。