「純文学・小説」を含む小説

きっかけは何と言う事もない。 ただ、いくら金を払っても得るものがないこの虚しさから解放されようと思っただけだ。 全てを消してしまいたくなって、それが正しい事のように思えた。それだ…

モラトリアムに囚われる女子高生隅田倫子。 両親を亡くし、意地悪叔母の元で暮らす少年たっちゃん。 世界に、少しでも反抗してみたくって、 この世界に靴擦れを起こしてやりたくて、 彼ら…

世間がバレンタインと騒ぐその日。 彼女は別の思いを抱えてこの日を迎えている。 彼女の「思い出」がここに残る。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ この物語はフィク…

祖父が死んだ。 祖父との思い出を描いた、てるぼい作の掌編小説。

長野県の山奥にある公立高校に進学を勧めた武花　美憂(たけはな　みゆ)。 そこは、かつて母が青春を謳歌していた母校だった。 東京の学校には進学せず、わざわざ身寄りのない長野に越し…

羽の生えそろってしまった天使、無邪気さの皮をすこしずつ露出する頭蓋骨に変えていくばかりの天使たち、私はそれを見たくない。歩みをどうか牛歩の様に。わらって、私に。もう一度名前を読ん…

文学の中にある水。

欠落を埋めてくれる夜空と欠落を与えてくれる朝陽について。

自らの過ちから苦境に追いやられた喜一は、遠くで暮らす我が子が帰ってくることに、一縷の望みをかけている。

冬になると祖父の霊が現れる。いくつもの凶兆として。生前の祖父を蔑ろにした報復と考えてよい。大学受験を控えている時期に、さらに先の将来への不安に苛まれる。

大学院生のときにお世話になった趙先輩と、書道展で再会する。そして、食事を共にすることになった。既婚者の趙先輩が言うには、ズラリと並ぶ入賞作より、自分の奥さんの筆蹟の方が達筆だとい…

健康のために、公園の鉄棒で運動をしていた。しかしうっかり手を放してしまい、尻もちをつく。倒れたまま滑り台の方を見やると、そこに女の子が立っていた。滑り台に面した一人部屋に住んでい…

「お互いを憎悪し合う家族」のデッサンです。

悲劇的な結末を迎えるかもしれない或る家族の悲劇です。

大学院生のとき、ぼくには梁くんという同期がいた。しかし卒業が近づいてくると、梁くんは塞ぎがちになってしまう。それからしばらく経ち、海外出張から帰ってきたぼくのところに、梁くんから…

苦し紛れで始めた小説が苦しさの理由になってしまった高校生作家。 好きで始めたはずのピアノが愛せなくなった天才ピアニスト。 逃げ場と生活が一緒になってしまった僕達が新たな逃げ場…

ある家族のデッサンです。

私は告白された。 だから、私は幸せになれる権利を手に入れたんだ。 私は幸せになっても良いかな。