「寺」を含む小説

「SNSもスマホも、全部手放せますか？」 　入寺の日、住職にそう問われた時、私は答えられなかった。 　19歳。 　人生に絶望し、現代社会に疲れ果てた私が選んだのは、500年の歴…

ある地方の鬼切村の旅館に宿泊していた、仙岩寺満探偵は、連続殺人事件に遭遇し謎を丁寧に解いて行く。 遺産を狙うのは誰か？

「色即是空、空即是色――」 　古刹・昂源院に棲む一匹の黒猫がいる。 　開山以来五百年、代々の僧侶たちの生死を見守り続けてきた不思議な存在。 　人の言葉を理解し、死の予兆を見通す…

悲惨な一家心中の是非を描く。 　タイトルは唐の詩人で原文では「雲は渓を渡る風を逐う(雲逐度溪風)」です。唐の詩人、杜甫の五言絶句の漢詩です。後漢の光武帝に抗し天険をたのんで立て籠…

「なぜ、何の前触れもなく――」 　由緒ある禅寺・昂源院。 　十五年来の親友を突然の死で失った尼僧・円庭咲夜は、深い絶望の淵に立たされる。 　生死を超えるはずの修行者でありながら…

柔道家の橋本寛太は、とある寺の住職の息子で、彼も、住職を志していた。しかし、村で一件の殺人事件が起きてしまう。警察が捜査しても、犯人の足取りはつかめなかった。そんな時、村の人々は…

時代スター・宮本大次郎はリハーサル中に、2代目映画撮影所の山下を殺害してしまう。 事件は事故として処理される方向に進んだが、捜査に当たる黒井川警部と仙岩寺探偵は真実を暴く。

中村真彩は、生まれて直ぐに真正寺のお堂に捨てられ、寺の娘である亜希の子として育てられた。兄・悠斗と共に寺で修行し、霊能力を得ていた。また、アメリカの山での不思議体験により、特殊能…

霊能者の祖父を持つ主人公・蒼太はとある夏休み、祖父の寺で怪異を目撃する。 その体験をきっかけに、自身にも霊感があるらしいことを知った蒼太。 祖父に誘われるまま、お祓いの手伝い…

奈良時代。 舞台は陸奥国。 結婚を約束したものの、結婚する前に、夢を追い、唐に向かった男。 「必ず、迎えに来るから。」 二晩の契りで子を成した女は、その言葉を信じ、帰りを待つ。 …

京都市の珍地名、天使突抜。 ここに事務所を構えるのは、ラブレター１枚から、御法に触れるヤバいブツまで、“３つのルール”を守れば絶対に何でも運びきる最強の運び屋コンビ。 ピカイチの…

　その男は、幼名を“奇妙丸”という。人の名前につけるような単語ではないが、名付けた父親が父親だけに仕方がないと思われた。 　父親の名前は、織田信長。その男の名は――織田信忠。 　…

高校一年生の宮村大河は選ばないことを主義とした青年だった。そんな彼はある夏の日、幼馴染だった二人の女子と再会する。幼稚園の頃からの付き合いの風狸伊草と、小学生の頃に出会った狐陽玄…

　これは俺が学生のときに体験したんだよ。え？　噂は聞いたことある。みんな、俺の話は嘘って言っているでしょ？ 　いやいいのよ、知ってるから。でも、これは本当の話。 　それでもいい？…

これは既発表の「渋谷少女Ａーイントロダクション」の続編です。霊界の東京から現実の東京に舞台を移しての新たな展開…田中茂平は６９才になっていますが現世に復帰したA子とB子は果してあ…

高尾一《たかお はじめ》が山奈相談所に勤めるようになり、2年が過ぎようとしていた。 そこに訪れる未知の依頼。未知の不幸。 普段通り、依頼をこなす高尾一に彼女の山田満がある疑問を口…

桜の散る中　――　僕は舞い戻る 伊吹タケルは二十五歳で、死の床にいた。タケルには、十年前に告白されて交際を始めた彼女、夕凪雫がいた。 毎日のようにかいがいしく、見舞いに来てくれ…

日名鳥神社で職に就く元白猫・祝子（はふりこ）の悩みは尽きない。当たりの強い神様、喋る狛犬、本殿裏の回廊の怪異……。そんな神無月、神社に忍び込んだのは野球好きな人形たち。ついでに蜂…

城址公園として整備されたところが三つある街で、その三つにおいて、白骨死体が見つかるという事件があった。その死体は、すでに死後１０年経っているということであったが、そのうちの一つだ…

★ 恋するスパイスカレー短編小説コンテスト【優秀賞】受賞、ありがとうございました ★ 高校を卒業してすぐ意地悪な継母から家を追い出された小春。大嫌いな婚約者との政略結婚しか…