「思い出 親子」を含む小説

毎週土曜日、穂香は同じバスに乗る。 認知症を患った父に会いに、老人ホームを訪ねるのだ。 多くの記憶が抜け落ちてしまった父の頭に残っているのは、大好きな将棋のことだけ──なのだろう…

　お父さんは、いつだって仕事ばかりだ。帰ってきてもご飯は食べないし、朝起きたらその日の分のお金だけが置いてある。ああ、そうか。きっとお父さんはわたしのことなんてどうだっていいんだ…

とある母親の語りです。二〇二一年夏ならではのお話。 短いので簡単に読めます。隙間時間にでもお読みください。

生まれて間もない我が子を田舎の実家に残し、子供との別居生活を選択した共働きの両親。同居することになった祖父母、叔父叔母との関わりで成長してきた自分の姿を、昭和中期の思い出とともに…

「君の妹は、僕の妹かもしれないんだ」 自称・可愛い実力派ロッカーたる妹。 そのファンと名乗り知り合った友人から、そんな一世一代の告白をされた。 こいつとの付き合いは今日までにしよ…

すべてが分かったとき、必ず読み返してしまう。 涙する親子の物語です。

板野かもさん主催「第5回 #匿名短編コンテスト・過去VS未来編 【過去サイド】」の参加作品です。 作品出品のみ。しかも投稿期限最終日に参加。 参加表明、評価、閲覧、コメント、投票…

田舎に住む女子高生の真奈は、無人駅のホームの隅に咲いているタンポポを見つける。 そのタンポポを見ているうちに、真奈はとんでもない現象に巻き込まれる—— 不思議な体験をした女子高生…

僕とアキのデートは外房マリンワールド。 アザラシの水槽でのハプニング。イルカショーの後の出来事。この話を一服の清涼剤として楽しんで頂ければと思います。

63歳で逝ってしまった妻の日記は意外なものに記されていた。 夫と娘に遺した最後のメッセージとは──？

俺はスンスンと鼻を鳴らした。 冷たい身を切るような風はいつの間にか身体を優しく包み込むような暖かな風に変わっている。その風に乗って微かに甘い花の香りがした。 季節を感じながらの散…

半熟の黄身がトロリと落ち、黄金色した布団の奥にチキンライスが顔を覗かせる。 一口頬張るとじんわりとした温かさが口いっぱいに広がり、舌に絡みつく黄身の甘さが後から追いかけてくる。 …

今朝、父が死んだ。末期ガンだった。 誕生日の一週間前、あっという間に家族を一人失った主人公に、親友高田は、思わぬことを口にした。 「おう、祐。俺だ。父さんだ」 親友に宿った父の思…