青の星より
@Wnbellheart
第1話 宇宙から
宇宙船の窓から地球を眺め椅子に座る2人の獣人がいる。
2人の間のテーブルには赤いきつねと緑のたぬきがあり、出来上がるのを待っている。
ソロ「懐かしいなティホン。」
そう話すのは狐獣人の男。
ティホン「えぇソロ兄さん。まさかもう一度、この緑のたぬきを食べられるとは思っていませんでしたよ。」
受け答えするのは狸獣人の男でそれを聞いて、ソロは口元に手を添えてくすっと笑う。
ソロ「ティホンお前は本当に花より団子だな。」
ティホン「あはは・・・。」
ティホンはソロの方に顔を向けて少し恥ずかしそうに頬を指で掻く。
ソロ「3分だ。そばが伸びる前に先に食べろ。」
ティホン「お言葉に甘えて。」
ティホンは緑のたぬきの蓋をとり、天ぷらを中に入れて割りばしを使い、だしに浸す。
ティホン「しげるは今何をしているんでしょうね?」
ソロ「さぁ?20年も経っているから会えるならもう一度会ってみたいが今日は娘達を無事に連れ帰るのが目的だったからな。」
ソロは地球を眺めたのちに割りばしを割って、5分経った赤いきつねに手を伸ばす。
彼らの娘は既に宇宙船の中で眠っており、彼らが食べている赤いきつねと緑のたぬきは娘達が人間からお土産として渡された物である。
ソロ「それにしても俺達と同じ物をもらってくるとは娘達も何かの縁があったのかもしれないな。」
それを聞いたティホンがそばをすすりあげてから答える。
ティホン「手軽で人気があるのでしょう?我々もだしを真似てみてもここまでの美味しさは再現できませんでしたから。」
過去の思い出を語りながら食事をする。
狐獣人のソロ・ロホ43歳、狸獣人のティホン・ベルデ41歳。20年前彼らは学生であり、事故でこの地球を訪れてそこで出会ったのが青山 茂という男であった。
この事故がきっかけで彼らは星にうどん、そば、だしの文化を持って帰ることができたのだが、思い出の味には近づけていなかった。
2人は地球を眺めながらお土産を堪能するのであった。
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