「ただぼんやりと」を含む小説

十二月の真夜中。大学受験が近付くさなか、一人自室でぼんやりとしていた蔦森に、奇怪な来客があった。空を飛び、人語を喋るその魚は、失踪した美術部の知り合い 高島田先輩その人であると言…

砂丘を一つ超えると、街の灯りが見えた。 ぼんやりと霞んだ弱々しいその灯りに向かって僕と由美は歩き続けた。 満月は相変わらず僕たちの背後を追いかけてくる。 まるで、キャラバン・サラ…

　昔々、あるところに夜の国がありました。 　そこには草木も人も獣もなく、ただ闇とぼんやりと輝く光だけがありました。 　そこはとても寂しい王国でした。 　やがて寂しすぎた王国は、…

幽霊ちゃんには記憶がない。記憶がないままぼんやりしていたところを、近くの水神社の神様が拾ってくれた。幽霊になるってことは、なんか未練とかあるんですかね？　心当たりはないですけど。…

「あっ！お父さんのアレって高く売れないかな」 「アレ？」 「ほら、アレよアレ」 「渚、主語がないわ、主語が」 「いや、だって私アレなんていうのか知らないもん」 「なによアレって？…

これは、一人の青年が無意味な苦しみに喘ぐ日常を書いた、孤独な小説です。 物語性とか、華々しい少年少女達とか、そういうのは横に置いといて、ぼんやりと読んでみて下さい。

　＞いままで覚えた全部　でたらめだったら面白い　そんな気持ち分かるでしょう 　答えはきっと奥の方　心のずっと奥の方♬ 　（情熱の薔薇／ＴＨＥ　ＢＬＵＥＨＥＡＲＴＳ、より） 　ど…

別れた人は未来を考えてさえいた相手だったけれど、それが何の担保になるわけでもなかった。 女二十九歳。仕事にも困ってない。結婚って、恋人ってなんだろう。そういうものをぼんやりと考え…

事故に遭いぼんやりとした覚醒を迎えたぼくは世界の終わりを目の当たりにする。 救いを求める世界の果てにぼくは何をみるのか？ ※『小説家になろう』様にも投稿しています。

人間の少年に化け、「人間でない存在が住む場所」と「人間の住む場所」を行き来している狐、蒼葵。 ある日、蒼葵が駅でぼんやりしていると、目の前で女性が自殺しようとする。 その女性を蒼…

真昼間からぼんやりと道端を歩いている、多くの場合奇抜な衣装を着こんだ、何をするわけでもなくただそこにいる、毒にも薬にもならない、しかしおそらく正気を失ったあの人たちが、真中市には…

脱法麻薬に手を出した少女はそれまで持っていた現実に対する認識が大きく変わってしまう。 一切は夢か現実か物語なのか、自分とは何なのか、「何か」とは何か。 ファンタジーの魔法を実…