マモノ遊廓の日常　～ゆうべは　おたのしみでしたね？～

　人族と魔族の戦いが終わり、世界に調和がもたらされてから数百年の時が過ぎた。

　ここは、平和な世の中で最も顕著な発展を遂げた巨大遊廓、――ヨシワラ。
　
　そんなヨシワラの一角に、とある見世がある。
　”魔性乃家”とも、”モンスター・ハウス”とも呼ばれるその妓楼は、多種多様な魔族との一夜を斡旋する、ヨシワラの中でも、かなり特殊な部類に入る見世だ。

　ここに、ぼんやりと煙管をふかしている妓楼の主が一人。
　少年にも少女にも見えるこの者の名は、ローシュ。

「女遊びの度が過ぎて、もはやまともな相手では興奮できない」
「尋常ならざる巨根のため、人間では相手にならねえ」
「神に仕える身でありながら、下半身のもやもやで日々苦しんでいます」
「新しい手練手管で、もっとお客様を悦ばせたいの！」
「何を…続きを読む