「スチームパンク」を含む小説

文明の発達に伴って、舞台を照らすものもランプやガス灯から白熱灯へと変わった時代。 リリネスは舞台に立ちたいという夢のためにディム市民演芸館を訪ねる。が、そうそう簡単に役はもらえな…

煙と錆のにおいに満ちた、汚れた世界。公害によって、生まれついて欠損を抱える人々は身体中を機械化することでしか生きられない。 そんな世界に転移した男子高校生･アカリ(燈)と、機械へ…

海底都市にウィルスが蔓延した。人を狂わせてしまう未知のウィルスだ。 人々は狂人と化して互いに殺し合う。 感染をまぬがれた人はわずか。息を殺してやりすごす。 そんな中、都市にやって…

劇チックに書いていけたらな、と思ってます。 第五幕『隠された部屋』より抜粋― ≪　呪われているのは、自分の方ではない。 認めたくなかった。そう思うのは仕方がない。 二人のう…

連作本体のインデックスはこちら： https://kakuyomu.jp/works/1177354054888696470 彼の名前はダベンポート。仕事は王立魔法院の捜査官。…

この出来事を記すにあたって、まだ四年前なのか、と驚く。まるで遠い昔の出来事のようだ。 当時の私は雑報記者である自分に疲れ始めていた。 そんな時だった、あの、空を見上げる集団に出く…

　黒の革命と呼ばれた大戦が終結して百数十年。世界の大半が砂漠に覆われ、資源不足からフィルム化された本が主流になり、高価な紙の本が消えつつある時代。 　地下階層型都市〈蒸気の街ホ…

蒸気機関が異常発達した世界。 昼夜を忘れた極東の汚染都市・シュトにて探偵業を営む青年トキヤ・カンザキは、令嬢姉妹の持ち込んだ調査依頼をきっかけに、技術革新の裏側でひっそりと息づく…

　一九〇八年、英國。 　今や蒸気王を讃えられる数学者チャールズ・バベッジが作りし階差機関によって、蒸気機関は恐ろしいまでの急激な発展を遂げ、かの偉大なりし女王陛下の御膝元たるロン…

蒸気大戦が休戦なった直後の帝都、連合軍の包囲を受けていたこの街では物資が窮乏し、各地からの横流し品による闇市が栄えていた。 小さな闇市の顔役を務める道重（みちしげ）は、見慣れない…

大国のプリンセス・ロクサーヌは愛機”真紅の薔薇”号を駆り、大陸一のパイロットを夢見ていた。 そんなある日、王国でエアレースが開催することが決定する。大陸中から腕自慢が集まるその大…

産業革命により霧と煙と蒸気に覆われた国イギリス。 産業革命の恩恵により頭一つ抜けて発展したが、その最中産業革命で確立された技術【マギ・ギア】が失われた。 かくしてイギリス国内――…

機械の修理などを手広く手がける機関調律師を志す『私』は、実務を積んで腕を磨くため大学の友人知人のつてで簡単な修理や調律の仕事を回してもらっている。 これはそんな『私』が携わった機…

産業革命期のとある世界。少女たちにだけ発現する症状、「インクの蜂鳥」は世界中を狂わせた。 美貌を保ち、まさに蜂鳥のように文字を舐める少女たち。迫害から逃れる術は、空中に浮かぶ鋼鉄…

棕櫚は作る。蒸気機関の機械を。 灯篭は導く。求める者を屋敷へと。 屋敷は佇む。海底都市を見下ろすように。 ここは黄昏灯篭の屋敷。 あなたが求めるのは、富か技術か、それとも。

廻る。廻る。映写機がカタカタと音を立てながら廻る。蒸気管が這い回る鋼鉄の部屋の中でのこと。蒸気と煤煙が絶えない帝都の何処かでのこと。 宮殿の奥深くに臨御する王は、多くの従者を前に…

戦前、戦中、戦後と三つの時代にわたって帝都の一隅で再会する二人。 彼らは歴史を学んでいる。歴史から学んでいる。 歴史とは人間の営為の結果だが、そうして現れた現実ははたして人間に…

さて、読者諸賢は『人を食う機械』の話を聞いたことはあるだろうか。 今号お目にかける記事は、『人を食う機械』の元となったと類推され得る、西部市のある食肉加工場にて発生した騒動につい…

私が入手したある手記を公開す。 この手記は30年の暮れに九重皇宮広場で発生した、元煙突掃除夫たちの騒乱について書かれたものだ。そう、帝都に不満を持つ元掃除夫たちが帝都を転覆せしめ…