夢追い姫と明かり屋

木下瞳子

開演

 かつての王妃リリネス・サンティエールは、ディム市民演芸館の改修工事に伴う支援にあたって「私の人生に灯してもらった明かりをお返ししたいのです」という言葉を残した。事実、彼女が我が国の舞台照明に及ぼした影響は大きい。

 我が国の劇場に電灯が導入されて100年。多くの劇場が開場されては閉鎖されていった中で、それぞれの時代の照明技師たちは数々の困難を乗り越えながらその技術の発展と普及に尽力してきた。

 著者は、その歩みを後世に伝えたいと考える。



ヨーゼン・ハーウェイ著『舞台照明の歴史 上巻』序章より



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