「揺れる」を含む小説

時は平安、左大臣家の大君であり、いずれは中宮へと期待され育てられている姫君は、几帳の奥深くに住まい、女房や乳母はおろか家族にさえ姿を見せようとせず、女童の夏木のみを傍近くに置いて…

揺れる紫煙を見て、心の奥にしまっていた記憶が蘇る。 青年は自覚する。 自分は異常なのだ、と。 ＊注意事項＊ 男性同士の性的なシーンがあります。 苦手な人はご遠慮ください。 ク…

水を利用し理論上無限に情報を保存及び操作する樹の完成セレモニーの日に事故が起きた。情報操作領域内に正体不明の情報が無限に溢れ出したのだ。加々見雪兎は事故対応に向かう最中に海外に居…

ガタンゴトン、 揺れる車窓の向こうには、七色の降る城がある。 少女と獣は『学園』を目指した。 なぜならそこには、殺したいほど憎い相手がいるはずだから。 ※少女と獣による緩やか復…

「ごめんな、今まで助けてやれなくて。お前はいつだって俺たちの手を待っていたのに」 　彼は、そう言って親友の手を強く握った。 　 暁に燃える街に、黄昏が舞い降りる。 「強さ」に翻弄…

電シャ 逃げる、私は逃げていた 鼻からは 私が先ほど、ぶつけた時に、血管でも切れたのだろう 呼吸の邪魔になるような 鼻血が、漏れだし 口に入り ぽたぽたと 顎から落ちるのを感…

刑事の大葉　直樹はとある連続強姦魔を追っていた。 証拠や姿を一切見せない犯人。 やっとつかんだ証拠は彼の将来を大きく左右するものだった。 証拠を明かすのか、明かさないのか。 揺れ…

青の森の魔女・ネリは、母が連行されて以来ひとりで生きてきた。 ある日、政略結婚から逃れたいと依頼人の令嬢が訪ねてくる。 その結婚相手こそ宿敵・エルヴィンだった。 ここ数年、魔女…

丁寧に編まれた髪と、茜色の長い裾が揺れる。紅葉散る秋の休日。幼馴染みから関係を変えた二人は、初々しくも穏やかに、大きさの違う手を重ねた。 「ミチは、東京の大学受けるんやろ」 …

　ある日自分が地元の名家ノートン家の隠し子だと発覚して、立派なお屋敷に迎えられたフィリア。 　けれど待っていたのは、粗末な屋根裏部屋と性悪な継母と異母妹にこき使われるタダ働きライ…

注）追放シーンは中盤以降です。 辺境で暮らしていたカレンは、祖母の死をきっかけにお城で働く決心を。出迎えた騎士の間違えにより下働きではなく侍女となる。 田舎育ちの彼女のことを、馬…

第二次世界大戦直前のイギリスを舞台に、莫大な資産を巡り相続問題に揺れる名門貴族家を、遥か日本からひとりの少年が訪れる事から始まる。実は彼は初代当主の血を色濃く受け継ぐ魔力の持ち主…

三話で終わります。 女の子たちのお話です。

かつて栄えた温泉地、鬼哭渓温泉。すっかり廃墟と化したその土地を、『君』は訪れる。 祖父が誰かと交わした約束。古びた眼鏡。巫女姿の少女―― 過去と現在、二つの光景を行き来しながら、…

ツクール×カクヨム　ゲーム原案小説オーディション2022応募作品。 ある日、何気なく動画サイトを閲覧していると、学生時代に夢中になっていたゲーム実況動画がトップページに紹介されて…

月に数度しか会えないのに、夜十二時を回る前に必ず帰ってしまうシンデレラのような彼。 二人で過ごす何気ない日常に愛しい気持ちが募り、独りの夜は不安に揺れる。 恋の行く末、そして彼が…

目覚めると、暗闇に私はいた。 その先は二股に別れており、真ん中に「引き返すこと能わず」と書かれていた。 片方はまるで腕を引かれているようにその先へ進みたい、と心が揺れる。もう片方…