揺らめく深淵の狭間
霜月透乃
最後の記憶
沈んでいる。水の中へ、深い深い暗がりの底へ。
真っ黒な世界で、“自分”が何なのかすらわからない。口から零れる泡が何処かへ消えてく感覚だけが伝わる。
どれくらいの時間が経っただろうか。目的地はあったはずなのに、あてもなく、水の中を彷徨っている。
深く沈むたび、胸が締め付けられるように苦しくなって、いつしか吐く泡も失くなった。
やがて、なにかの光に導かれるように、ふわふわと浮かんでいく気がした。
波に揺られ、沈んで、浮かんで、揺蕩って――。
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