「似ていない」を含む小説

ちらちらと降る雪の中、満開の桜の下。 桜の花が、まるで私みたいだと、君は言った。 ※「君の血の味は少しうるさい」（https://kakuyomu.jp/works/1177…

二卵性双生児のため見た目はまったく似ていないが、槇絵と千草はとても仲の良い姉妹だった。そして、二人が同じ高校に進学したころから、千草に奇妙な手紙が届きだす。ラブレターと言えなくも…

一目惚れというのだろうか。 　 それは夏の終わりに感じる寂しさに似ていた。 でも、どこか幸せで切ない。 色とりどりの感情が一気に溢れだす。 そんなありふれた物語。

　『僕』たちはどこか似ているかもしれないし、全然似ていないかも知れない。 　『僕』たちは悩みながら、もがきながら、何かを望み何かを諦めたりしながら生きている。 　この文はそんな『…

前作「フクロウと母」のオカンが、オトンと出会う話。 居酒屋で行われた合コンで孤立していた女性、美鳥。 声をかけてきた男は、フクロウによく似ていた。 カクヨム三周年記念コン…

これは、きっと紡がれ終った物語です。 このお話に出てくる庭園は、今ではお城の片隅に忘れ去られ、陽だまりだけが永遠に微睡んでいます。 公開と後悔は似ています。どちらも過去を振り…

カクヨムプライベートコンテスト Vol.03　『魔法×ミステリ』 「気になったで賞」受賞！ 魔法使いの国では、殺人事件にも魔法が絡む。 有名なレストランで副店長が殺された。 …

　もう終わった話ではあるが、映子と樹里亜にはそれぞれの形で混野との間に私生活上の関係をとりむすんでいた時期があった。そのころ混野の気性はいまよりも荒く、なにものかに追われているか…

海馬とはタツノオトシゴの異名である。「落とし子」とは貴人が妻以外の女に生ませた子のことをさし、おとしだねとも呼ばれる。昔の人は龍に似ていながらいかにも貧相な顔立ちのこの生き物を、…

スランプに悩む芸術家の私はある朝、砂浜に打ち上げられていた、錆びた女性型のアンドロイドを発見した。 役所に連絡して回収してもらおうかと思った矢先、完全には壊れていなかったアンドロ…

十二月二十四日。俺は彼女とその夜にだけ出会うことが出来た。 俺が愛する人。クリスマスの聖夜にしか会えない彼女。 その女性は俺の最愛の…… 俺が愛する人、それは血のつながった妹。 …

姉妹であるにもかかわらず、千重子は千結子とあまり似ていなかった。 千重子が陽の光の中で育ったのだとすれば、千結子は月に似ていた。

放課後、学校の隣にある図書館に通うのがあたしの日課。そこには毎日のように図書館に通っている男性がいる。仕事をしている様子もなく、学校に行っているようでもない、不思議なひと。彼──…

アメリカに長く住んでいた六十五歳の主人公は日本に帰国し、市民講座の教室で「男女の格差問題」をテーマに教えている。ある日、講座の教室に得体の知れない年寄りが現れた。彼は確かに「老人…

海岸清掃ボランティアにいそしむ「俺」は、十二月の冬の海の清掃中に、女の子が倒れているのを見つける。その女の子の言動は、かつて「俺」のそばにいたひとにとても似ていて――少し切ない、…

広がる空間は、どこか海に似ていた。

　魚たちが、幽世と現し世の狭間へ導く。 　水彩画家、矢賀崎亨は、妻の瀬那を失った。 　彼女の記憶が薄れてしまったことに怯えつつ、彼は思い出を取り戻そうと奔走する。 　現実とも…

少年・カノン。少女・エリーゼ。 出逢いは監獄。罪人と看守。脱獄と追走。 逃げれば追い、追えば逃げる。 ぼくらは似ていて、同時に真逆だ。 きみと一緒にいたい。叶わぬ想いとわかっ…

この辛く悲しい出来事は私たち二人を紡ぐ。 この物語に入り込める人だけが涙を流す。 涙を流すことを忘れた私は、担当になった主治医。杉村将哉によって救われた。 すでに人としての心を…