「ただわたしだけが」を含む小説

「サキのタトゥー、好き……」 「可愛いでしょ。お気に入りなんだ」 　たわれるように舞う二匹のジャコウアゲハ。一目で魅了されてしまった。蝶の羽を描いている繊細なグラデーションに、い…

その日、売れないシンガーソングライターの須々乃美秋は夢を諦めた。まったく歌えなくなったのだ。暗い帰り道、何の気なしに立ち寄った本屋で美秋は懐かしい名前を目にする。それはかつて自分…

２０２０年、アンソロジー『東京　言葉と街と生活とすべて』に寄稿させていただいた小説です。 ２０２１年の東京を舞台に書きました。 参考文献： ・『波乱万丈・恋人生－夢二ドキュメン…

　大学生の要（かなめ）は同期の琉海（るみ）と同じ音楽サークルで出会った。二人はすぐに仲良くなり、まるで双子の姉妹であるかのような錯覚を抱くほど、不思議なつながりの感覚を得るように…

ある日気づいたら、男爵令嬢のわたしは王子の婚約者候補として王宮に住んでいた。そしてこの１年の記憶がすっぽりと抜け落ちていた。 一体わたしに何が起きたの？ 王子には婚約者の公爵令嬢…

すべては、あの時から始まった。 あなたが、わたしの名前を呼んでくれたあの時に、もしかしたら、知り合いかもしれない、親戚かもしれない。 そうじゃなかった。 長石監督。 あの時は…

【2023年2月25日（土）MF文庫Jより発売！】 政治家を目指している少年、弘樹は、ずっと好きだった桃島うるはに一世一代の告白をした。ところがその時、何故かうるはは日本初の女…

あらすじ これはわたしの物語。ではないかも知れない。みんなのも混ぜて、最後は性別を逆転するくらいに回転転向させたい非道の妄想と幻覚。 自律神経失調症、起立性調節障害、メニエール病…

あなたにはこの答えがわかりますか？　知っているなら教えてほしい。 あなたが今生きているのは本物の現実ですか？　本当ですか？　なぜそうだと分かるのですか？ 心の闇、開幕

　わたしは一度死んでいるのかもしれない。 　もちろん現時点で生きているのだから、普通ならば死にそうな目にあったと言うのだろう。 　ではコンビニの近くにいるアレは何だ。 　わたし…

先輩（わたし）のこと。 煙草百合アンソロ寄稿の「燁煙」に関する蛇足です。本編読了後に読むのがおすすめ。 今はpixiv（https://www.pixiv.net/novel…

カクヨムコン８に向けて、準備……が進みません(笑) 何故なら、実生活が忙し過ぎて。なんて言い訳ですが。 そんなこんなで、少しでも皆さまと交流する機会になればと思い、こんな時期か…

「暴力」および「平和」に関連するお話を書いてみました。 読んでいて、気持ちの良くなるものではないかもしれません。 しかし、生きていくうえで避けては通れない主題だと思います。 …

久しぶりに実家に帰ったら―― 親の老いを感じたとき、あなたはどうしますか？ ４０字×４０行で書いているショートショート４１作品目 １００作品まで毎日更新出来るかな？

永遠の夕刻と伽藍堂の団地、遠く棚引く火葬の煙。 茅蜩の啼く公園を訪れる理由を、わたしもあのひとも理解している。 かぁごめ、かごめ……

小説を書かないとどうにも気持ちがおさまらない人が小説にうまく書けないことを話すところ

図書室の司書、紫藤さんはどこか浮世離れした、おかしな存在だ。本を慈しみ、人間を嫌う紫藤さんに「わたし」はなぜか惹かれていってしまうのであった。その感情の正体はいったい何なのか。

一分と少しで読めます。

惑星エイドラに住む児童養護施設育ちのステヴィア・ルニールには最も敬愛する男性がいた。それは未成年だった頃の彼女に学業支援をしてくれた人。 支援のお陰で十分な教育を受けられたステ…