「#ヒューマン」を含む小説

　玄関を抜けて真っ直ぐ突き当り、古ぼけた引き戸。あのすりガラスの向こうには、姉の幽霊がいる。一年半の間、私はそこへ到達するたった五メートルの廊下を渡れずにいた。 　けれど今日、…

私は、ある日特殊な能力を持っていることに気付く。 それから街で苦しむ人の心から発せられる叫びを探しては、様々な人の命を救う。 しかし、その能力には副作用があって、その副作用に気付…

2020年春、世界はパンデミックに見舞われた── 同じ家で暮らす薊・蜜柑・雛芥子・牡丹・竜胆・秋桜は、年齢も性別もバラバラな家族。六人はパンデミックが収まるまで、「自己収容」の名…

「大陸を駆ける風でありたい、大空を旅する雲でありたい！」　　　 窮屈な故郷を脱出し、魔法使いの少女・アンは異世界を目指す。 一方、植物のようにしっかりとした根を張り、 誰とも争…

「どうして──みんな脚光を浴びたら、評価されたら、自分の作品が生計を立てることに繋がったら、それは嬉しいことに違いないという宗教を信じているのでしょう」

…あれから20年。旅人は、人生の岐路に立っていた。 経営層からの無謀な要求を呑むか、あるいはプライドを守って闘うか。 結果は無残なものだった。社会から真っ逆さまに転落していった……

桜が咲き誇ったある朝のこと。 いつもと同じ時間の いつもと同じ場所で 交わることのなかった僕たちの人生が 同じ時間を歩み始める。 花が咲いたような笑顔を浮かべる君は いつだって…

　ガチャをこよなく愛する福田　士郎。ガチャを引きたいと思っていた士郎の前に悪魔が訪れる。悪魔は世界の一人一人に犠牲になって貰いその代償に百円を貰ってガチャを回すことを提案するのだ…

元広告デザイナーのある日の出来事。 私にだって夢はあった、頑張ってきたつもりだった 『世界は広い』と背中を押した広告のコピーが こんなにも虚しく見えるのは私が悪いのだろうか

-概要- 医学と科学が発達した近未来。 錬金術の容量で武器を生成できる人間兵器を開発した日本は、東京山手線を境に国内戦争を行っていた。 「テレビの中の戦争は他人事？」をテーマに、…

【第1部・完】※再開まで少々お待ちください。 耐え難い二度の死を経験した俺は、9歳にして極悪非道と悪名高き辺境伯家の嫡子ルドルフとして三度目の生を受けた。 神に運命を弄ばれてい…

砂漠の中の小さな町に住む技術屋の二人。ある日町外れの枯れ木が花をつけたという話を聞く。その木の根元に死体を埋めたことのある二人は、花見も兼ねて様子を見に行くことにした。彼等が埋め…

"ヤクザ"の父を持つ「力」 "政治家"の父を持つ「おぎ」 この"相反する"環境で育った2人だったが激突をへて2人は同じ"夢"を志ざす者だと知り手を取り合い"自分の夢"は"2人…

「一緒に寝ようと思って」 　こう言われたら、誰もが耳を疑うだろうね？ 　嘘で家族になった相手ならなおさらだ。 　言葉の主は平沼・美怜（ひらぬま・みれい）、家族が欲しかった白く可…

現代なのに魔法使いがいるような、いないような。魔法があるような、ないような。真面目なような、不真面目なような。そんな曖昧さが嫌いじゃないぜ。

野球が大好きなのに“へたくそ”な主人公、児玉良太。 チームメイトで野球センス抜群なキャッチャー、松島健介。 後輩マネージャーで児玉に想いを寄せる、町村早苗。 ３人の視点から物語は…

貧しい平民の三男に未熟児として生まれた主人公は、病弱ながらも家族の愛情を受けて育っていく。７歳になった彼は、周囲の子どもたちに追いつこうと懸命に日々を過ごしていた。そしてある日の…

ロックバンド『カレイドル』のギタリスト、44歳の智幸は新曲のレコーディング中に突然14年前へタイムリープしてしまう。そこはバンドが解散寸前に追い込まれていた時代だった。 ※作…

大人になるまで、生きていてほしい。 誰かのそんな願いを叶えるために、ぼくは生きる。 したくもない仕事、救いたくない人々。生きていくのが、辛くなるほどに無価値だった。 でも、…

少年には年の離れた姉がいた。 しかし食卓を囲むのは、少年・母・父・祖母の四人だけ。 いつからか姉はいなくなってしまったのだ。 姉を殺したのは誰？ お腹の赤ちゃんは誰？ どうして…