「#ヒューマン」を含む小説

吉原の花魁として働く朝霧太夫。 彼女は親に売られこの店で遊女になった。 毎晩男性と戯れ、空しさだけが募る日々。 そんな彼女とそれを心配する幾蔵。 果たして彼女が幸せになる日は来る…

【私だけを部屋に残し、ドアが閉まる。人手不足だし。ちょっとくらいならって目をつむってたんだけどね。先ほどの店長の台詞が当てもなく宙に浮いている。】 アルバイト先で世の中の汚さに身…

文明が崩壊し、あらゆるものが失われた世界で、リトル・ロスコー・アンダーソンは孤独ながらも逞しく生きていた。 ある日リトル・ロスコーは、彼を慕うみなしごに、彼の秘密を打ち明ける。 …

真っ暗な暗闇の中のリビングに、天井から吊されている輪っか状のロープ。 根暗で友達も居ない、いつも独りぼっちの私。そんな私が今ロープを引き寄せた。 だがその瞬間、こんな私にも光が差…

【そうだなあ、とオレが返事をする。この声が彼女へ届くことはない。】 おいしいディナーをこしらえた女性と、その恋人の男性の話です。 （別名義で書いていた小説の再アップです）

『僕』こと鷹野一季は、小学校からの同級生でもあり、恋人でもある滝沢彩葉からの「タイムカプセルを開けたいんだよね」という突拍子もない一言を受け、当時通っていた小学校へと向かうことに…

【父は『か弱い子どもを加護する立派な父親』であることこそが自分の役目であると、誰よりも優先して子どもを守り、子どもから信頼され、自らも子どもを愛さなければ自分に存在意義などないと…

【「追い詰めかたがねえ、マジで卑怯。女にあるまじき卑怯さ」「はっはっは、性別は関係ないね、何とでも言え！　格ゲーは突き詰めて真剣勝負。殺るか？　殺られるか？　いいかい近藤、ひたす…

『もう良いんだ。もう、自分を殺さなくていいんだよ』 　2019年。大規模特異ウイルスにより「恋愛自粛令」等の緊急事態宣言が発令され、「20歳以下の男女の恋愛が望まれなくなった」…

主人公、木村ケイトと愉快な仲間たちは、見た目悪くないのにオタク系という性（サガ）というか業（カルマ）によりひっそりとディープな世界を生きていた。 クールだけど中二病の自称魔術師。…

早翔が受験勉強に励んでいた高校3年の春、父親が急死した。 父親だけでもっていた会社はあっさり潰れ、後に残ったのは借金だった。 早翔が借金返済のために考えた職業はホスト。 彼の前に…

【それはある意味「母親」に呼ばれる私の「淳子」という名前がストレスの捌け口としてのみ成立しているようなことなのかもしれない。】 「母」と「母親」の前で意識的に変質する一人の女性の…

21歳の円佳（まどか）は、アルバイト代で学費と生活費のほぼ全額を賄う苦学生。 そんな円佳の家に、7年間音信不通だった中学時代の親友・柚莉（ゆずり）がぼろぼろの状態で転がり込んでく…

少し性格に難のある男女２人が付き合うまでの物語。 果たして、主人公達は素直になることができるのか……

【ゆえに生まれた子どもは眼球を持たない。代わり、眼球が収まっているはずの空洞には無数のバクテリアの抜け殻がガラス玉のような塊となって埋まっている。薄水色に透き通るそれはこの世のも…

【私は赤く染まった自らの足先を見る。ある程度乾きつつあるその塗料は一部が皮膚に付着している。指の腹で軽くこすってやると、まるで割引シールが剥がれ落ちるみたいに若干の掠れを残しなが…

【たとえ不出来だったとしても、あるいはとてつもなく優れていたとしても、どのような理由があったとしても私はもう二度と私の見た目を他人に評価されたくはなかった。】 優れた容姿を持ち合…

【私はあらゆる物を自身の所有として、それらで身を包み、囲み、固め、軟弱な自分を保護しているだけなのだ。祖母に必要な皮や肉まで剥ぎ取られ、剥き身で生きてきた私は、もはや自身で自身を…

【もちろん役割そのものを否定するつもりはない。役割がなければ自身の身の振り方を判断することすらできず、自身の感情を持て余し、何者にもなれずに死んでいく人間に満ちた世界は腐ってしま…

【尊厳だとか人権だとか常識だとか、そういった「当然」をひとつ残らず排除してしまえば、やはり生きるとは酷くシンプルなことなのだろう。】 めちゃめちゃかわいくて躾のなっていない女の子…