仮面の下に、淀んだ心。雪降る夜に、きっと君は来ない。

『もう良いんだ。もう、自分を殺さなくていいんだよ』

　2019年。大規模特異ウイルスにより「恋愛自粛令」等の緊急事態宣言が発令され、「20歳以下の男女の恋愛が望まれなくなった」世界。

　そんなある冬の日の、数週間に及ぶ出来事。

　まだ高校2年であった日向 玲菜は、ある日、クラスメイトである水無瀬 涼太と偶然帰路が重なった事をきっかけとして、お互いの距離を縮めていく。
　だが、「約束の日」を前にして二人の仲へ大きな溝をつくる、ある出来事が起きる。

　─────仮面の下の自らを、

　何度も、何度も、“殺した” 少女。

　ある事をキッカケに「ひと」を信じられなくなり、

　未来にすら────“明日”を見いだせなくなった少年。
　
　少女はやがて、そんな少年との日々を経て、あるひとつの誓…続きを読む