概要
秘密の合言葉は『鮪の漬け丼 猫またぎ増々で』
突然の火事で故郷である里山を失った鳥天狗の少年は、零と名乗る人鬼に拾われ「睦樹」という名を与えられる。名前も火事の時の記憶もない少年は零の住処『隠れ家』に身を置くことに。そこは行き場のない訳あり妖怪たちの住む場所。一風変わった萬事処『あやし亭』でもあった。妖狐の一葉、猫又の双実、化狸の参太、人魚の五浦、死ねない人の志念、正体不明の紫苑。一癖も二癖もある『あやし亭』の妖達と火事の真相と自分の記憶を解明すべく動き出す。どうやらこの件には、火事に遭った里山と隣接する芽吹村を再建すると名乗り出た札差・近江屋佐平次が関わっているようで―――。妖怪と人が交わる江戸、人の世で生きる妖が事件を解き明かす怪奇譚。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!時代物と妖怪が好きな人には是非読んでほしい人情話
お江戸ファンタジー、落語、妖怪、札差、里山の役割、他にもたくさん、色々詰まっていて、深い。
文章が詰まっていて長いので、読みずらさは多少ありますが、
それが気にならないくらい面白くて続きが気になる。
展開が早いから、あっという間に最後まで読めてしまいました。
一人一人のキャラが立っていて、他のキャラの過去も是非読んでみたいと思います。
文章に雰囲気があって、読みやすいのでスラスラ読めちゃいます。
悪い人も出てくるけど、彼らなりの正義があって、読了後、すっきりした気持ちになれます。
あやし亭の皆の距離感が好き。必要以上に近づきすぎない、ちょうど良い距離をお互いに知っている感じ。
作中で志念が「…続きを読む - ★★★ Excellent!!!勧善懲悪のようで、そうではないお江戸ファンタジー。読後感が良いです。
とにかく面白い! 作り込みが深い! 泣きながら一気に読みました。読後感が良い。
作者様の別のお話を目当てにカクヨム登録して、異世界ファンタジー?の方を先に読みました。
途中でこの話を見付けて読み始めたら、止まらなくなりました。
全体のストーリーもしっかり練られていて読みごたえがありましたが、
登場人物一人一人の性格や、抱えている過去が見え隠れする台詞に強い個性を感じます。
キャラが立ってるっていうんでしょうか。個人的には深影がとっても可愛いと思う。
何気ない台詞の一つ一つにも意味を感じて、「この言葉は深い…」と思ったりしました。
紫苑の正体とか、あやし亭の他の面々の過去とか、まだ明らかになっ…続きを読む